2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 2 憂鬱な科学部の日々(2)

なぜなら、自分の感受性を相対化できていない さてほのかは人間関係をうまく修復できないというところまで考えた。では、なぜほのかほどの観察眼を持つ人が、そもそも人間関係を修復しなければならないような状況になってしまうのか。 その原因として二つの…

神からの転落、人としての誕生〜MH第17話(3)

闇ハーティエルとしての闇の戦士たち

id:dokoiko:20050524にて「闇の戦士たちは闇のハーティエルだろうか」ということを考えてみたのだった。で、闇の戦士たちを「闇ハーティエル」と考えた時、それぞれの闇の戦士がどのような性質を象徴しているのかを勝手に決め付けてみようというのがこのメモ…

 2 憂鬱な科学部の日々

MH第17話では科学部の部員たちがなかなか乗り気にならず、ほのかが部長として科学部をまとめきれていないということが明らかになったのだった。これまで学園が誇る知性として送辞を読むほどの存在だったほのかが、なぜ科学部の部長として憂鬱になるような…

神からの転落、人としての誕生〜MH第17話(2)

 1 ほのかだって人間だし

今回のお話は、メップルとなぎさが交わした以下の会話に集約される。 メップル「ほのかはなぎさとは違うメポ。遅刻なんて絶対するわけないメポ」 なぎさ「わかんないよ、ほのかだって人間だし。ってメップル、私とは違うってどういう意味よ」 MH第15話でヒ…

雪城ほのか:神の座を降り、人として誕生する〜MH第17話

 2 各位の解釈

さて、まず各サイトでの解釈をいくつか見てみることとする。言うまでも無いことは、僕はこれから唯一絶対の正解を読み解こうとしているのではありません。また、各位の解釈のうちどれかが正解でどれかが間違いだということでもない。物語からなにを読み解く…

無印ラストを振り返る(2)

無印最終回決戦シーンの再解釈 何でいまさら無印なんて書くんだって? だってイイものはイイんだもん。ほんと、第46話から第48話のポルン覚醒までの流れはすごいよ。プロットはどんでん返しに次ぐどんでん返し。ベルゼイは大見得切ってすごい存在感。戦闘シ…

ジャアクキング様はどう復活するのか(3)

ジャアクキング様の復活を考えていると、どうしてもひかり=ルミナスのことを考えることとなり、話が入り組んでます。ということで続きです。 九条ひかりの成長とクイーン 九条ひかりの成長を振り返ってみると、どうも九条ひかりがそのままクイーンになると…

なかよし

なかよしにも連載持てる安野モヨコってすごいな。あといつも思うのだがなかよしって誰が読むんだ。投稿見たり塾生の意見を聞くと小学生らしい。まあ僕は幻魔大戦/真幻魔大戦とか読んでたけどさ。つかつかつか、水上、上北二氏の文法はなんとかついていけるの…

ジャアクキング様はどう復活するのか(2)

id:dokoiko:20050524の続きです。 闇の戦士、闇の意志 MH開始当初、洋館の少年の影が4つ伸びてそれぞれ立ち上がった。それら4つの影は実体化すると、サーキュラス、ウラガノス、ビブリス、バルデスという闇の戦士になったわけだ。ということは洋館の少年と…

 1 話の流れを振り返る

第46話:お別れ 第46話は、アバンタイトルでなぎさ回想がある。しかし、誰かの視点による前回の回想が、無印ではこの第46話で最後である。この最後の回想は重要で、なぎさとほのかが最終決戦で闇の力に立ち向かう理由を描いている。さくら組の合唱をBGMとし…

無印ラストを振り返る(1)

無印の最終決戦とそこに至る過程を描いた、第46話から第49話のことを考えている。何度見ても、製作者たちが口からエクトプラズムを出してトランス状態になって書いたような、日曜朝8時30分枠とは思えない熱いメッセージが連発していて、なぜ「ふたりはプリキ…

トレンディドラマとしての無印プリキュア:補遺

ヒカルミの世界さん昨日のエントリにコメントありがとうございます。「トレンディドラマとしての」と銘題してそれについて書くのを忘れました。ヒカルミの世界さんが書いているように、形而下の要素を見ても無印の登場人物たちは恵まれすぎるぐらい恵まれて…

 2 自己発見の物語としてのマックスハート

マックスハートでは、右も左も分からないで虹の園に放り出された九条ひかりがクイーンの命であり、日常では九条ひかりとして、非日常としてはシャイニー・ルミナスとしてがんばる。またプリキュアチームは、分解してしまったクイーンを再生するためにがんば…

 1 トレンディドラマとしての無印プリキュア

無印からなぎさとほのかは成長していないのではないかということを論じてみる。下記のように、彼女たちは個人的にはほとんど変わっていないように思える。彼女たちは彼女たち個人が変わるのではなく、二人の関係をどんどんと密にしていっただけである。成長…

トレンディドラマとしての無印、自己発見の物語としてのMH

九条ひかり=シャイニー・ルミナスに個人的な愛がない割にそれなりの論考をしていると思う今日この頃。それはそれとしてウリえもんさんが 再確認となるが、前シリーズ「ふたりはプリキュア」において描かれてきたなぎさ・ほのかの2人の少女の成長と友情の物…

ジャアクキング様はどう復活するのか(1)

バルデスの声を担当している小野健一さんが、無印ではジャアクキング様だったというのはご存知のことだろうと思う。ということは、バルデスが存在を続けたままでジャアクキング様が復活して会話なんかしたら、小野さんは一人二役分身状態になるわけだ。そん…

インテリジェン様

僕の名前は… どーでもいーですか? インテリジェン様〜。ところでハーティエルはあと7人いるわけだが、あとだれだろ。ウイッシュン/ホープン、語呂が悪いな。アンビションならどうだ。シンパシン、じんましんみたいだな。コンフィデン。ブライトン、チアー…

 3 手の届くところになぎさほのか

前回MH第15話は、なぎさとほのかがそれぞれの性格を最大限に発揮して、奈緒と美羽が抱くスーパーヒーロー像を体現してみせたという話だった。前回はとにかくなぎさもほのかも非の打ち所のない完璧なヒーローとして描かれている。それは「ふたりはプリキュ…

ふたりはごく普通の中学生〜MH第16話(2)

ということでさっそくヒカルミの世界さんとかぶったりしながらid:dokoiko:20050522の続きです。

ヒカルミの世界さんこちらこそよろしくお願いします。

ひかり=ルミナスに絞って書きつづける、というタコカフェバー(九条ひかり&シャイニールミナスと運命を共にするブログ)を読んだ時、正直やられたと思いました。一年前は「プリキュア専門で生半可な学問っぽい言葉を使って無駄に長い長文を生産する」という形…

 2 見守るにもいろいろある

今回MH第16話のテーマは「見守る」だった。しかしただ見守るといっても、見守るにもいろいろある。ということで、今回MH第16話での見守る人々について、それぞれどのような見守り方をしているかをまとめてみよう。 苦言を呈しつつ待つほのか 占いに関す…

 1 細かいところ

なぎさ、藤Pに触れる。 今回、当たったメロンを取ろうとした藤Pの指先となぎさの指先が触れたのだが、これは無印第17話「ハートをゲット!トキメキ農作業」でのなぎさ妄想が一年を経て実現されたということになるのだろうな。無印第17話も今回と同じく成田…

見守るにもいろいろある〜MH第16話(1)

インテリジェン萌え萌えー とでも書いておしまいにするわけにもいかない。今回は、いろいろな登場人物がいろいろな見守り方をする、見守るにもいろいろあるという話だった。あと、前回あまりにも超人化したプリキュアたちを世俗化するカウンターの役割を果た…

元祖天才ウラガノス〜MH第16話

だった。今日のMH第16話感想はそう書いておしまい… というとわからんかもしれないな。 説明しよう! MH第16話は「元祖天才バカボン」へのオマージュである。配役はそれぞれ、バカボン=ウラガノス、バカボンパパ=なぎさ、ママ=ほのか、はじめちゃん=…

 5 私の始まりと世界の終り

ここまで書いて「あ〜たくさん書いた〜」と校了感でいっぱいだったのだが、床でのうつ伏せ寝*1から目覚めて読み直してみると、論考のタイトルに言及していないということに気が付いた。相変わらず書いているうちに話がずれた。 今回友達であるということを奈…

 4 家族を越えて〜世界への扉

ということでここからマックスハート第15話に戻る。「ふたりはプリキュア」は、全てを生み出す光の力をめぐり、光の園の伝説の勇者プリキュアと、ドツクゾーンの魔人たちが前線で対決を繰り返す物語だ。ドツクゾーンは悪として造形されており、悪と対決する…

 3 大きな物語を引き受けること

70年代:大きな物語の喪失 大きな物語をどのようにして引き受けるのかという手がかりが消えてしまったように思えたのは、70年代以降の課題だった。ただ70年までが良かったかというとそうでもなくて、大きな物語の引き受け方にもいろいろある。そういう各論は…