1 ほのかだって人間だし

今回のお話は、メップルとなぎさが交わした以下の会話に集約される。

メップル「ほのかはなぎさとは違うメポ。遅刻なんて絶対するわけないメポ」
なぎさ「わかんないよ、ほのかだって人間だし。ってメップル、私とは違うってどういう意味よ」

MH第15話でヒーローになったなぎさが続く第16話で普通の人に引き摺り下ろされた。そして第17話、今度はほのかの番だった。ただしだいたい全体的に普通の人だったなぎさとは異なり、ほのかはこれまで失敗で事を終えたことの無い神だった。そのほのかがはじめて周囲に対して自らの失敗を認めた今回第17話は、ほのかにとって大きな転換点だった。無印の第8話とか第18話のキリヤ謝罪などがあるけれど、それらは結局何とかなっている。科学発表会ではおそらく入賞を逃しており、またほのかが自らを失敗した部長と周囲に認めている。結果が出ずに終ったことと、ほのかが失敗を認めたことが今回の特別さである。
ただしほのかは言い訳をせず全てを自分の失敗だと総括してしまっている。第三者の立場としてほのかの今回を正確に言うならば、ほのかは失敗したのではなく成功することが出来なかったと言うべきだろう。人知の及ぶ範囲においては、今回のほのかは失敗したとは言い切れない。研究発表会が終わるまでのいろいろな状況を所与の条件だとすれば、ほのかはその範囲内で正しく行動したと言えると思う。
しかしほのかはこれまで神のごとく正しかったわけで、そのほのかが今回は状況を越えて成功を勝ち取るまでにはいかなかった。神ならば状況をも変えて成功を勝ち取るだろう。今までのほのかは、結果的に成功を勝ち取りつづけており、結果で判断するならば神であった。それが今回、ほのかの神通力は発揮されなかった。
ほのかは今回の失敗を通じて、ようやく神の座を降りて人となった。以下、まずリーダーとしてほのかとなぎさが対照的に描かれているのでそこに焦点をあてて、ほのかの資質を考えてみる。その後、科学部の中でほのかが真のリーダーとして認められる過程を考える。