2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧
無印第17話は、キリヤが闇と光との両者に自らがつながってしまったことを自覚する瞬間を描いた話数だった。彼が農作業の中で繰り返した「人間がわからない」という意味の言葉は、繰り返されるたびに彼の中での意味を変容させている。 「人間がわからない」と…
サブタイトルにこう書いてからなぜ「内面を見つめる物語だった」と無印を総括しているのだろう、と自分が何に気がついているのかを不思議に思うのだった。 ……というところまで書いて、一日考えた。その結果やはり無印は全体として主要な登場人物たちが自分の…
と言えば無印第17話「ハートをゲット!トキメキ農作業」である。キリヤ… あのころは熱かったよな。そんな感傷は置いておいて、農作業を舞台にしたこの二つの話数を比べてみると、無印で描かれていた物語とマックスハートで描いている物語との違いが分かる。
もしくは、世界発見の方法としての自己理解と他者理解。と同時に自己発見の方法としての自己理解と他者理解。id:dokoiko:20051002につながる予定。
とは言ってもなぎさやほのかが戦う理由そのものは基本的に言えばずっと変わっていない。虹の園の未来を守ることだ。別にそれは悪いことではなく、マックスハートの物語が他者を知ることに主眼を置いているからであろう。
なぎさにとって藤Pは永遠の偶像であるが、これまでと異なり今回は具体的になぎさへ言葉を贈ったのだった。なぎさがビブリスとの戦いで掴んだ「分からないことは分からないが、とにかく今を一生懸命生きる」という確信を裏付ける役割を藤Pが果たした。 藤P…
今回MH第26話では、なぎさが将来の自己像に悩んでいると藤Pが現れて救われるというのがあらすじだった。 というより、なぎさ以外の登場人物たちがみんな将来の夢を持っていることのほうが驚きなのだが、まあこれは将来の夢を持っていないなぎさの孤独を際…
無印での夏祭り 無印でも夏祭り回があった。無印第29話「嵐の夏祭り!カミナリ様は超コワイ!?」である。無印第29話のトピックは 無印後半シリーズの第3回 ベルゼイ・ガートルード初登場 藤Pと肝試しでなぎさドキドキ だった。後半シリーズ開始早々という…
先週はエヴァンゲリオンでしたが、今週は∀ガンダムです。どちらも理解と不理解との間に物語を描いているのだけれど、エヴァが理解の中に存在する不理解を恐れる話であり、∀が不理解の中に理解を見つけようとする話であるように感じる。 プリキュアについて言…
もし光の力こそが母イメージの突き当たり(まあこれを原初の母と呼ぼう)であるならば「ふたりはプリキュア」は光の力=光のクイーンを頂点に絶対者として持つ、一神教的な世界構成であると言えるだろうと思う。 しかしそのクイーンはいまのところ分解してい…
ではさなえおばあちゃまが最後の母であるかというと、そうではない。さなえおばあちゃまもまた、その背後に導かれるべき母のイメージを持っている。 無印第28話「レギーネ登場!ってもう来ないで!」とMH第24話に描かれている、さなえおばあちゃまの回想に…
id:dokoiko:20050814の続きです。
小田島をはじめラクロス部員たち、クラスメイトなどにとって、なぎさは母のような存在として彼女たちをまとめ、受け入れている。しかしなぎさ本人にとって、母としての度量の大きさは彼女の一面でしかない。なぎさは一面だだっ子であり、だだっ子としてのな…
小田島にとってなぎさは母であった。そしてなぎさにとってほのかが母である。Aパートの宿題シーンにそれが良く出ている。無印でも夏休みの宿題シーンが出ている。羽原大介氏が脚本を書いている無印第28話「レギーネ登場!ってもう来ないで!」である。無印…
主題の継承 物語のイメージについて。夏休みで宿題という設定は昨年を引き継いでいる。無印第28話「レギーネ登場!ってもう来ないで!」である。しかし物語のイメージを反転させている。 無印の設定をなぞるというのはマックスハートで全面的に採用されてい…
id:dokoiko:20050808のMH第24話感想から視点を引き継いでます。
(ここには大阪でのプリキュアミュージカルオフについて書きます。しばらくお待ちください)
今回MH第24話において、ほのかが小田島友華に直接話し掛けたのは倒れたなぎさが寝ているベッドで小田島に食事を摂るよう勧めたときと、小田島からの交替申し出を了承した時だけである。基本的に引き継ぎであり、事務的な会話である。 ただし太陽の観察をし…
というのは、ほのかにも当てはまる。なぎさとほのかは対であるから、なぎさが外=黒、内=白であるならば、ほのかは外=白、内=黒となる。実際ほのかはキュアホワイトだし、普段着も白を基調としたものだ。おしとやかで清楚で思慮深い。 そして内面はと言え…
なぎさはショートカットで運動ができてさっぱりしていておっちょこちょいで(藤Pを除いて)物怖じしない。ほのかやひかりに比べると造形は男の子である。しかし周囲の他者との関係を見ると、なぎさが果たしているのは母としての役割である。これは生物学的…
なぎさの基本的な性格 なぎさはキュアブラックである。通称黒。そして好き嫌いがはっきりしており、感情の起伏が激しい。ほのか、ひかりとの変身娘三人組の中では最も自我のあり方が強い。ように見える。しかしなぎさは他者受容については三人の中で最も寛容…
とは言えそんな九条ひかりも小田島友華とのやり取りを見ると、印象が変わってくるように思える。何かを求めるように合宿所をうろつく小田島と、小田島に声をかけられた九条ひかりは、つぎのように会話を交わす。 小田島「私、去年まで中等部にいて科学部に所…
ふと思うに九条ひかりが存在の疑問をもってもよさそうだ。彼女は過去を持たぬ存在であり、存在とは時間による記憶の堆積に根ざすのだから。しかし九条ひかりは、自分の存在そのものに疑問を持っていないように見える。九条ひかりは一貫して「私は役に立つこ…
今回は三度目の小田島友華登場なのだった。そこで思うのが「ふたりはプリキュア」の登場人物たちの中における小田島友華の特異性についてだ。小田島友華は自分が誰なのかという存在についての疑問を持っている。 小田島は中等部でマドンナと呼ばれ、つねにマ…
今日の日記は、小田島友華に対して九条ひかり、なぎさ、ほのかがどのように接したかということを通じて、3人の心のあり方について考えてみる。