2 見守るにもいろいろある

今回MH第16話のテーマは「見守る」だった。しかしただ見守るといっても、見守るにもいろいろある。ということで、今回MH第16話での見守る人々について、それぞれどのような見守り方をしているかをまとめてみよう。

苦言を呈しつつ待つほのか

占いに関するうんちくを傾けながら、占いが努力に置き換わっていることを心配して言うべきことは言う。しかしそれを押し付けることまではせず、なぎさが自分で気づくのを待ったのだった。ほのかはずっとそうしてきた。
最初にほのかがそれを発揮したのはおそらく無印第10話「ほのか炸裂!素敵な誕生日」で、強盗さんたちに炸裂した時だろう。その後無印第17話「ハートをゲット!トキメキ農作業」でサボるキリヤに農作業をさせてしまったり、無印第40話「夢の世界へご招待!?一泊二日闇の旅」で料理を避けるなぎさを諭したり、MH第13話の親子喧嘩で意地を張るなぎさへ素直になるよう促したり、という感じだ。

教え導くほのか

ほのかにとってなぎさはパートナーだから、なぎさには何かを命令したり教えたりしない。しかし事実上なぎさほのかの子供であるひかりに対して、ほのかは親として教え導くのだった。これは洋館の少年を遠くから取り巻くようにしている闇の四人と対照的であり、ほのかは母親としての役割をちゃんと果たしている。

邪魔をしない。ひかりに対するメポミポ

メポミポは全く役に立ってないという論じ方をどこかで見た気がする。まあ学園が定期テストであかねさんが営業しているのに、裏でボール遊び全開だ。しかもメップル「そりゃ遊んだほうが楽しいけど、がんばらなきゃいけないときがあるメポ」って、おまえががんばったのは無印第12話「悪の華ポイズニー参上!って誰?」でポイズニーから脱出した以外なんかあるのかメップル
まあ、彼らも自分たちが手助けどころかアドバイスもできないことを十分知っているから、生垣の向こうでおとなしくしているわけだ。

応援するポルン

何の役にも立てないけれど、とにかく応援する。ポルンができることはそれしかないし、それで正解だろう。応援してくれる人がいるということはすごいことだ。ひかりがテスト前に緊張していたのだが、ポルンの一言でそれなりに自分を取り戻したことだろう。テスト結果のどこかにはそういうポルンの応援も反映されているだろう。

裁くインテリジェン(ピュアンとの関係から)

インテリジェンはほのかが努力を続けること、努力することの楽しさを知っていることを評価している。よって、占いを逃げ道として努力を怠るなぎさを評価していない。それ自体はほのか的である。しかしインテリジェンはそこから一歩踏み出しており、評価によって扱いを変えている。
インテリジェンはおそらく正しさを原理としており、ピュアンのカウンターである。ピュアン気持ちの量を原理としており、それが正しいかどうかということは関係ない。ピュアンはずっとなぎさの側にいたのだが、それはピュアンが求めるものを持っているのがなぎさだったからだ。ピュアンはなぎさを選んでおり、ほのかは選ばれなかった。ということは、今回インテリジェンがほのかを選び、なぎさを拒否したことと本質的には同じことである。
ただしピュアンはその原理上裁くという行動をしない。一心になぎさだけを見つめるだけなので、ほのかが選ばれなかったという事実は隠蔽される。で、ピュアンはとにかくなぎさの行動にいちいち感動してきたわけだ。それは、なぎさの全てが認められるということだった。
ということでピュアン的価値観からすると、理の人であるほのかは視野に入ってこなかったのだった。ということで、次に出てきたインテリジェンはこつこつと努力をすることを評価する。ほのかを認めるわけだが、ピュアンと異なりインテリジェンは裁くので、なぎさを無視するのだった。
ただし、ほのかに情熱がないかというとそうではなく、インテリジェントがほのかを見つけるシーンで分かるように、ほのかはほのかの感じ方で努力することに喜びを見つけ、情熱を燃やしている。ただその燃え方が静かなのだ。なぎさは真っ赤に燃える太陽のように輝き、ほのかは青く輝く月のように輝いているということである。

敬して遠ざかる闇の四人

洋館の少年はこれまで非常に素直に育ってきており、その意味では闇の四人が手をかける必要がないわけだ。しかしなぜ非常に素直に育っているのかというと、洋館の少年には自我を抑圧するような他者がひとりも居ないこと、そして洋館の敷地から外にある世界のことを何も知らないからだ。