2 自己発見の物語としてのマックスハート

マックスハートでは、右も左も分からないで虹の園に放り出された九条ひかりがクイーンの命であり、日常では九条ひかりとして、非日常としてはシャイニー・ルミナスとしてがんばる。またプリキュアチームは、分解してしまったクイーンを再生するためにがんばる。
なぎさほのかとは異なり、九条ひかりは何かが出来るようになるというお話を担当している。またクイーンの命として、その時々に登場しているハーティエルに関連する意志を学んでゆくことになっているようだ。日常ではお使いが出来るようになったり、あかねさんやポルンのことを思いやることが出来るようになったり、がんばって勉強して定期テストで結果を残すことが出来るようになったりしている。非日常ではシャイニー・ルミナスとして特訓するわけではないが、日常で学んだ意志をルミナスとして再確認することで強くなっている。
なぎさとほのかは最初から日常でのヒーローであり世界から認められている。だがひかりは当初まったく無力な存在であり、世界からも認められていない。そもそも世界に居なかったのだから当然だ。だから九条ひかり=シャイニー・ルミナスは、絆をつなぐだけでは強くなることが出来ない。九条ひかりはまず、絆をつなぐだけの存在であると世界に認められなければならない。ひかりが何も出来ないままならば、誰もひかりを認めないから、絆をつなぐどうのこうのということにすらならない。
だからひかりは世界に対して自己の存在と意味を証明しなければならないのだが、ひかりは今でも自分が何者であり何が出来るのかを把握していない。ひかりはまず自己を発見するところから始めなければならない。ひかりが自己を発見し、世界がひかりを認め、そこでようやくひかりは世界と絆を結ぶことが出来る。ということで、マックスハートはひかりが自己を発見するものがたりとして今のところ話を展開している。