1 懐かしき友情

まずはまったく異なる世界に住んでいた二人、なぎさとほのかがお互いを知るプロセスを見せていた。小さなお友だちたちに向けた、友だちの作り方だ。似たもの同士がなんとなく集まり「友だちだから言いたいことがいえない」という底なし沼のような息苦しい関係でとどまるのではない。お互いのこと思いながらも自分が思うことをきちんと言い合ったとしても友だちでいられる、いやもっと友だちになれるというシミュレーションだ。
前者はは80年代から現在まで続く友だちのかたちであり、後者は70年代まで理想とされた友だちのかたちということもできる。ポップの時代とフォークの時代と言ってもいいかもしれない。カラオケの時代とうたごえ喫茶の時代とか。考えてみれば熱血少女というなぎさの造形、深窓の令嬢というほのかの造形も70年代なんだよな。アニメとして意図された回顧趣味だというようなことはid:izuminoさんが描いてきたことなのだけれど、ドツクゾーン編ではなにもかもがみな懐かしい… ように設計されているたのだろう。