2 第8話はいつから構想されていたのか

というのもダイアリーの後には、プリキュアたちが石を取り戻してホーピッシュに収めても、なぎさがねだっても番人は褒美を出していない。ということは番人がダイアリーを渡すという設定が、あまり深く練られていたとは考えないほうが良いだろう。のちのちの褒美をめぐる番人となぎさのやり取りを考えると、第8話の内容を第8話というタイムテーブルで成立させるためにたまたまそこにいた番人を使ったということだろうと思う。
第8話までに日記をとにかく二人に渡さなければならない。そこで一番それっぽい登場人物だった番人がダイアリーを渡すという設定が後付けされ、なぜ番人なのかという理由付けに「褒美」という言葉を思いつき、しかしなりゆきでそうなっただけだからもう褒美はない。その後なぎさに褒美をねだられると「その件はごにょごにょ…」と番人をうろたえさせてど直球でボケをかましてみた。それが結構面白かったから定番ギャグになったが、あれは苦し紛れの台本がギャグとして利用されたのだろう。
シナリオの内容と出来栄えがともに突出していることを考えると、とにかくまず第8話とプリキュアダイアリーができてしまった。第8話のプロットは「二人はプリキュア」というタイトルからすれば定番であり、番組の構想段階から脚本家の頭にあったのだろう。もしくは骨組みだけならば脚本家が長年温めてきた伝家の宝刀だったということも考えられるだろう。