1 ドツクゾーン編での番人

  • プリズムホーピッシュに思い入れを持たせる役割

電車に揺られてすることもないので、番人の意味を考える。番人が登場したのは第6話のくまちゃんハイキングの回だった。それ以降ドツクゾーン編での番人は単なるプリズムストーンの管理者だった。プリキュアたちが魔人から石を取り返すと呼び出され、プリズムホーピッシュに石を収めるとすぐに戻っていった。まあそれだけならいくらホーピッシュの管理人とはいえ、番人が登場する必要はなかった。あえて言うならばプリキュアカードの頭数合わせだ。
しかしもう少し積極的な意味を考えてみる。プリズムホーピッシュは石を保管しておく箱だ。ただの箱ではないかもしれないが、箱だ。おもちゃとしてホーピッシュを売り出すことは規定路線だから、売らなきゃならない。しかしただの箱を買って、どうやって遊べというのだ。箱のままでは遊びようがない。お医者さんごっこセットとかお化粧セットならば、何の説明も無く遊び方は分かる。だから本編に登場させなくても商品として企画が通る。
しかしホーピッシュは… 箱のままではダメだということは、きっと企画者たちにも分かっていたはずで、ひとひねりしなければならなかった。そこで化粧品入れにするとか虫かごにするとか機能を追加するという方法がひとつある。だがそうするとわけのわからない物体になってしまう。
別の方法としては、人格を持たせるということだ。人格を持たせれば、おもちゃを買った子供やお母さんたちがホーピッシュ役を演じ、別の誰かがなぎさになったりほのかになったりして遊ぶことができる。一人二役をしながらのひとり遊びもできる。しかし「二人はプリキュア」はSFではないのだし、そもそもしゃべる機械を小さな女の子のお友だちたちのお気に召すはずも無い。ということでホーピッシュに結び付けられた石の管理人が構想されたのだろう。ホーピッシュがしゃべるというのはおもちゃとしてのホーピッシュに子供たちが思い入れを持つための要素だった。

ただし番人が唯一重要な布石となったのは、褒美だった。プリキュアたちがピーサードから取り戻したプリズムストーンをホーピッシュに戻すと、番人はその働きに対する褒美としてなぎさとほのかにプリキュアダイアリーを手渡した。これが無ければ第8話が成立しなかったダイアリーだ。
しかし疑問が湧く。プリキュアダイアリーを手渡すという役割は、そもそも番人がはじめから担っていた役割だったのだろうか?