隠蔽される葛藤

メポミポがあのように生活感全開のぬいぐるみ体型で、正体を知っているのは忠太郎だけで、魔人たちはそれぞれの物語を前面に出して襲ってくる。ということでなぎさとほのかはなぜ闘うのかその理由を知らない。魔人たちが襲ってくるから闘うのだが、ではなぜ魔人たちが命を賭してまでプリズムストーンを奪いに来るのかは知らない。キリヤはほのかに自分が消滅する場面を見せたくなかったのと、どうせ死ぬなら逃れられぬ運命(彼の全てを握っているジャアクキング様)に立ち向かうためにドツクゾーンに戻っていったが、プリキュアのふたりにとってキリヤの行動は逃げに映っていただろう。
メポミポが自らの世界である光の園を取り戻すという彼らから見た世界だけをプリキュアたちに説明することに加え、ドツクゾーンの魔人たちはプリキュアたちに何も説明しない。光の園の住人たちはウィズダムやシカルプなどのように大人らしくなく彼らに与えられた役割だけを果たしている。ということでなぎさとほのかはドツクゾーンが破滅しようとしている運命の最中にあることを知らない。
ということは彼女たちは自分たちが与えられている正しさの理由がほんとうに正しいことであるのかどうかという問題を奪われている。視聴者である我々は、少なくともドツクゾーンが破滅しようとしていることやキリヤが簡単に消滅させられてしまう情況だったことを知っている。視聴者から見ると魔人たちの必死さが分かるし、メポミポやウィズダムの明るさが今では残酷に映っていることが分かる。ドツクゾーンと闘うことは正義だとしても、魔人たちを消滅させることはどうなのか。
だが肝心の彼女たちには何一つ情報がないから、正しさとは何かとか正しさを実現するための方法はこれで正しいのかという葛藤は隠蔽されている。

  • この日記を19日と誤記している間に頂いたコメント

ひりゅ 『こんばんは。体調大丈夫ですか?日付も間違ってますよ(汗)あまり無理はなさらぬように・・・。ではまた。』(2004/07/10 18:34)

itamasu 『今回の、イルクーボジャイアントスイングで放り投げられたブラックをホワイトが受け止めてそのまま地面(湖底と言うべき?)に叩き付けられた直後のシーン。ホワイトがブラックの胸を抱きすくめるようにしてる描写だけでハァハァものですが、その直後の「…ホワイト!」「…ん…大丈夫…」ってセリフ! ブラックを心配させまいとニッコリ微笑んだりまでして、まるでHマンガによくある初体験シーンみたいじゃないですか!!(笑) えろすぎムッハー!! もっとやってくれ!!! …こんな風に見てたのは僕だけですか。そうですか。』(2004/07/12 10:08)

itamasu 『真面目な話、前回のなぎさの「キリヤくんのためにも…」という、なぎさなりに気を遣ったものの結果的には残酷な言葉によってほのかは泣いてしまって、でもほのかはなぎさを嫌いになりたくないから泣いてしまったことをなぎさに報告したわけで。ある意味ほのかにはもうなぎさしかいなくて、それであそこまでなぎさのために必死になっているように見えます。もう誰も失えない、というような。』(2004/07/13 10:25)