なぎさとほのかの違い〜第23話

今回は久しぶりになぎさとほのかの違いが強調される放映回だった。

  1. リーダーとして。なぎさとほのかはそれぞれの部活で特別な位置にある。なぎさはエースであること、ムードメーカーであること、あかねさんのお気に入りであることでその位置にある。ほのかはエースであること、決断力があること、知力によってその位置にある。
  2. 他人への評価。ほのかは人の悪口を決して言わない。今回はユリコが校長先生へ揶揄の言葉を使っているが、ほのかはやんわりとそれを受け流している。校長先生が川に落ちた後も、川に落ちた事実から服を換えなければ風邪を引くというように話題をスライドさせ、校長先生が川に落ちたという事実を流してしまう。
  3. なぎさとほのかがベッドで交わした会話。ほのかが一般論として2段ベッドの上段に寝ることになったなぎさへ落下注意をする。しかしなぎさはそれを「自分の寝相が悪いことをなぜほのかが知っているのだろう?」と自らが持つ個人的特長に還元させている。
  4. 流れ星。なぎさは流れ星を見て、あの夕方に大量の流れ星の中でメップルに出会った記憶を思い出した。ほのかが何を思ったのかは描かれていないが、おそらく第1話で流れ星を物理現象として説明した「うんちく女王」として、ほのかはなぎさのような感傷に包まれることはないだろう。
  5. 山の異変。なぎさは流れ星を見てメップルを思い出した。その直後にあかねさんが山の神様の話をしていた。なぎさのメップル回想の心理情況と山の神様の話はおそらく彼女の中で繋がってしまった。だからなぎさは山の異変をいつまでも山の神様の仕業と考えるようになっていた。しかしほのかは山の異変をドツクゾーンの魔人(イルクーボ)の仕業だと考えていた。ほのかは山の神様というものを信じていなかったと言うことだ。
  6. 山の神様。ほのかは山の神様のことを信じていなかった。しかしなぎさが山の神様の話ばかりするので、そのなぎさを説得するために「山の神様には怒る理由がない」という理屈を使った。ウソも方便というか、そこで否定すると話が山の神様に固執してしまうからそういう理屈でなぎさとの話を進めようとした。その方便に「怒る理由がない」と理由の話に持っていくのは非常にほのからしいやり方だ。彼女は魔人たちに対してもいつも理念的な理由を探している。彼女の理念が「魔人の行動は間違っている」と結論付けたときにだけ彼女のパワーは解発されている。