2 キリヤの出来事

  1. ドツクゾーンポイズニーに前回戦闘での「手加減」を揶揄されつつもバンデージを見つめる。人間界の川辺でもまだバンデージを見つめる
  2. サッカー部の練習で「ボールを取ればいいんだろ」と背後から反則タックルを行い、部員に責められ藤Pにフォローされる
  3. 聖子に手紙を差し出される(一回目)。「かったるそうだから勘弁して」と拒否する。「いったい、何なんだ」と混乱する
  4. 図書館と公園ベンチでほのかへ人間関係について疑問をぶつける。「自分の気持ちを一生懸命伝えようと努力すれば、相手もわかってくれる」と諭される
  5. 夜の空に浮かんで物思い。ポイズニーが現れ「明日で最後」と期限を切る
  6. 聖子に手紙を差し出される(二回目)。また無視しようとする。しかし莉奈が「雪城さんだってあんなに応援してくれたじゃない」と聖子を勇気付けるひとことが彼の負のエネルギーを爆発させ、聖子の手紙を破り捨てる。
  7. ほのかが男子部教室に乗り込み、キリヤを責める。しかしそれはキリヤの心をまったく無視した、聖子の側からの言葉だった。それを絶叫でほのかに叩きつけるキリヤ。ほのかは自らの過ちに気づき、謝る
  8. プリキュアポイズニー戦の途中。キリヤはうつむいたまま、ほのかの謝罪を思い返す
  9. ポイズニーに手も足も出ずプリキュア史上最高のピンチ。すると突然ふたりの背後から「光」が生まれる。その光は教室の廊下に現れ、ふたりはその光の中から人間世界に帰還させられる。その直後にキリヤは2年桜組の廊下を歩いている
  10. 聖子にキリヤが会いに行き、手紙をもらえないことを直接言葉で説明する。聖子が納得してキリヤに感謝の言葉を伝えると、キリヤはあっけにとられる

細かく追いかけると上記のようになる。しかしキリヤの心境変化を追いかけてみると、これらはいくつかのかたまりに分割することができる。では実際に分けてみよう。そしてその後は段階ごとに考えてみよう。
段階1:(1. 2. 3.)人の心がわからない、そして分かろうとしないキリヤ
段階2:(4. 5.)考え込むキリヤ。ほのかに「人の心がわからない」ことを告白するキリヤ。ほのかに「自分の気持ちを伝えること」の大切さを説明される(これは聖子へ自分の気持ちを伝えるラストへと続く)。ポイズニーのちくちくとした追求を受けるが、この時点ではほのかのひとことをまだ考えている
段階3:(6. 7.)ほのかが自分を見ていないことを気づかされ、心の扉を閉じるキリヤ。段階2の無防備さが彼を深く傷つける。無防備だった反動でほのかに自分の怒りを絶叫で叩きつける。しかし自分が扉を閉じたことがほのかの扉を開き、ほのかは自らの非を深く知りキリヤに謝る。この段階ではキリヤが自分の怒りがほのかの扉を開いたことに気が付いていない
段階4:(8.)心の扉を閉めたキリヤだが、それでもほのかの残した謝罪の言葉が自分にとって何を意味するか考える。自分の心の中にほのかのイメージが深く根をおろしているからこそ、心の扉を閉じたにも関わらず自分を揺らしていることには気が付かない。そしてキリヤは決断を下す。彼は自覚的にポイズニーを裏切る。また聖子にも自分の気持ちを伝えようと決めたのだろう
段階5:(9. 10.)そしてキリヤはポイズニーを裏切る。そして聖子と合い、自分の気持ちを伝える。それはポイズニーどころか、ドツクゾーンそのものを裏切って人間の世界へと踏み出すという強烈な意味を持つ行為だ(それを聖子という「使い捨てキャラ」に向かい実行するというところがすごい)。