1 志穂莉奈とほのか


要約:今回、志穂莉奈とほのかがなぎさ抜きの関係に進んだ。
ほんと、今回のプロットと演出はプリキュア史上最高だったのではないかと思う。物語としても良くできているが、細かい演出が的確だからこそ物語が何倍にもよくなっている。小説読み(ただし村上春樹専門だが)としてきれいにまとまっていた今回第18話のポイントを挙げる事からはじめてみる。キリヤの今回についてはまだ良くまとまらない。寝かせておけばそのうち余分なものは削り取られ、ほんとうのことが沈殿してゆく。まずはそれを待つことにします。
志穂莉奈とほのかとの関係は知らないうちに親密になっている。第1話と第4話でほのかを「うんちく女王」と揶揄していた頃の関係は完全に変質している。これは明らかになぎさを介して結ばれた関係であって、なぎさの手が届く範囲の人間関係ならばなぎさが影響を与えることができるということだ。これはこれまで登場してきた周辺人物たちを放置していることに対応している。できることだけができるという基本的設定をしっかりと守っていて安心感がある。

莉奈「あ、ねえねえ雪城さん聞いて聞いて。聖子が人生最大の決断の時を迎えようとしているのよ」屈託ない笑顔でほのかに話し掛ける莉奈。しかも友人の聖子がキリヤに告白を決断するというかなりデリケートな話題をそのように共有するというのは、ほのかをかなり近い友だちとみなしているということだ。
ほのか「決断? 何のこと?」
志穂「一世一代の恋を告白するかどうかの決断」握りこぶしを作ってしっかりとほのかに訴える志穂。その後をちょっと略して、
志穂「ねえ雪城さんからもひとこと言ってあげて」
ほのか「ん… あの… 私も自分の気持ちを相手に伝えるってことはとても大切なことだと思うよ」ここでほのかが何歩か踏み出す。それまでは後になぎさの姿が見えているのだが、ほのかが踏み出すとなぎさの姿が見えなくなる。
聖子「え…」
ほのか「そんな相手がいるだけでも素晴らしいことだと思うよ」
莉奈「さすが雪城さん、いいこと言うなあ」

ほのかが踏み出した何歩かは重要で、なぎさがほのかの後から消えるのだ。これはいままでなぎさを中心に結びついていた志穂莉奈とほのかの関係が、聖子の恋というなぎさ抜きの問題を通じてなぎさ抜きの関係に踏み出したということだ。