2 咲舞の裏としての満薫

さて話は満薫である。満薫と咲舞とを対として理解するとき、まず挙げられるのは対照性であろう。満薫は自分たちだけの世界に生きている。薫が特に「くだらない」と言うので満薫が無関心のように見えるが、彼女たちの本質はそこではない。「指図は受けない」と仁美やドロドロンさんに怒らざるを得なかった満薫は、彼女たちのしたいことだけをしたいのであり、無関心というよりも閉じていると言うのが適切だろう。これは、我を忘れていなければ咲舞が常に相手のことを考える性質の裏であると見てよいだろう。
満薫が登場したS☆S第14話から第17話前半までは、咲舞の裏としてこの性質が強調されていた。しかし第17話後半には様相が変わる。