アメリカ人は「ふたりはプリキュア マックスハート」を賞賛するでしょうか。

原文はこれ。

ジョンに聞け

アメリカ人は「ふたりはプリキュア マックスハート」を賞賛するでしょうか。
2006年2月23日

質問:

ジョンさんこんにちは。私は日本のプリキュアファンです。私はジョンさんに「ふたりはプリキュア マックスハート」および九条ひかりについて質問しようと思います。無印プリキュアと比較して、その続編であるマックスハートをあなたはどう評価しますか。プリキュアの中で私のお気に入りは九条ひかりです。彼女はなぎさやほのかとはとても違っています。だから彼女の加入は、プリキュアをとても変化させました。しかし彼女はシャイで自己主張せず彼女の外見がアングロサクソン系出るにもかかわらず、彼女はほとんど自分を表現することがありません。そういう正確は非常に日本的であり、私はアメリカ人が彼女の性格を理解するのは難しいのではないかと思います。
とても日本的であるシャイなふるまいをする九条ひかりが加入したことで、無印に比べてマックスハートは日本的な面に焦点を絞っているように私は思います。外国のファンたちは、格闘シーンなら簡単に理解することができるでしょう。しかしながら、マックスハートの日常シーンと九条ひかりの人格造詣について、アメリカ人が理解できるのかどうか私は気になっています。
もしあなたが私の質問に答えてくれれば幸いです。

回答:

僕はプリキュアが大好きだし、英語圏のアニメファンにもっと注目してもらう機会を与えてもらうことなので、プリキュアについて論議することを楽しんでいます。困ったことにマックスハートを見ているアメリカ人ファンがほんのごく少数しかいないため、アメリカ人アニメファン全体として九条ひかりがどう受け止められているのかを説明することができません。ネットに上がっている無印プリキュアをダウンロードしている人々の平均数からおよそ推測するに、マックスハートを見たことがあるアメリカ人は数百人ぐらいだと思われる。平均的なアメリカ人のオタクじゃないアニメファンたちはおそらく、プリキュアという番組のことを聞いたことすらないはずで、アニオタのアメリカ人ならば九条ひかりプリキュアの登場人物だということは知っているだろうけれど、それ以上は知らないぐらいだろう。
無印プリキュアはすでに全49話をファンが英訳しているけれど、第13話から第49話まではかろうじてあるファン一人の努力によって英訳が提供されているという現状だ。もしそのありがたいファンの方さえいなければ、無印の4分の3が英訳されていないだろうというありさまです。実際のところ九条ひかりが含まれていてなおかつ英語でアメリカ人のファンたちに提供されている映像は、唯一「ふたりはプリキュアマックスハート映画版」だけなのです。そんなわけでマックスハートを見たことがあるアメリカ人はほんのごく少数にとどまっており、アメリカ人ファンが九条ひかりの人物像や内面をどう見ているかについて議論しようがないのです。
なぎさやほのかと比べて九条ひかりがとても異なっているということに私は同意します。彼女はとても内気で、控えめで、かつアカネさんへの心酔のおかげでなぎさやほのかよりも責任感が強いように思える。また九条ひかりの導入によってプリキュアが大きく変質したことについて私は同意するけれど、彼女が「典型的な日本人女性」だと感じたことはこれまで一度もなかった。彼女はキュアブラックキュアホワイトが奮闘する中でもあまり戦闘に加わらないため、それまでのシリーズで固定化されていた物語世界に文字通り錨のように重みを加えることになった。九条ひかりは一貫して攻撃を行わないので、プリキュアに興味深い新たな視点を加えている。キュアブラックキュアホワイトが見せる積極的な攻撃とはまったく対照的なことに、彼女は受動的な抵抗をするのみだ。ということでプリキュア九条ひかりが加わったことで、プリキュアチームひいては「ふたりはプリキュア」に新たな次元を加えることになっている。
私の理解では、九条ひかりは日本人のアニメファンにとってとてもなじみあるキャラクタだということです。一方平均的なアメリカ人アニメ視聴者たちにとっては、明るく生き生きしているなぎさとほのかに比べて九条ひかりを寡黙だとか面白みにかけると判断するかもしれないと思う。実際アメリカ人アニメ視聴者たちが九条ひかりとは別のキャラクタを望んでいるかもしれないというのはありうることなので、あなたの質問は非常に的を射ていると思います。しかしながら、アメリカ人視聴者たちはまずマックスハートを見ることはないと思われるので、九条ひかりについて何も意見をもたないかもしれないということも十分ありえることです。私はこれまで折に触れてプリキュアについて発言しているのですが、アメリカでのプリキュア認知は一向に進展しません。アメリカでもおジャ魔女どれみ東京ミュウミュウの放映が現在行われていますが、アメリカにおける魔法少女モノでのヒットはセーラームーン以来出ていません。私はプリキュアアメリカでの魔法少女モノの次なる大ヒットとなることを楽しみにしていますが、アメリカ人アニメ視聴者たちやアニメファンたちの間で、プリキュアはまだほとんど取り上げられることがないというのが現状です。