3 大義と個人との関係〜光の側

九条ひかりが自らクイーンになる決意をするということが、おそらく「可能性」から導き出される答えでしょう。少年を救うため、なぎさとほのかを救うため、獣たちを救うため、そして世界を救うため。
そうすると、大義のために消えて行くということにおいてはあのお方と同じになる。しかしここで重要なのは大義に個人が至るまでの道筋である。九条ひかりが自分で選ぶ、クイーン復活のために消えるという選択を自分の意志でするということです。あのお方が有無を言わさず復活の犠牲になるのとは決定的に異なる。ただし間違った情報を与えられ、拙速な判断では「選ぶ」事にはならない。
これまで九条ひかりには一年という時間が与えられ、周囲全てから愛され、さらになぎさほのかは彼女たちと世界を賭けて九条ひかりを守ろうとしている。そしてまだその時点においても、九条ひかりは判断を強いられていない。
今後九条ひかりは、プリキュアたちが死を賭けて九条ひかりを犠牲にしないために戦う姿を目の前にするでしょう。そして九条ひかりがクイーン復活を選択するその瞬間、彼女の選択が「彼女自身の選択」であると感じることができるかどうか。その辺に注目しています。もしそう感じることができなければ、闇の側と何の違いもなくなってしまう。なぎさほのかがクイーン復活を拒否したことが浮いてしまう。