入れ替わるとしたら(5)(最終回)

決定稿。後半に手を入れました。さらに理論的枠組みとしてMH第39話の感想(id:dokoiko:20051129、id:dokoiko:20051201)を読んでいただければ幸いです。
id:dokoiko:20051202の続きです。二年目ラストでクイーンの命と心とハーティエルが結びつき、新生クイーンが誕生する。二年目の九条ひかりはクイーンの命を宿していて、ラストでクイーンが誕生する。九条ひかりは名実ともにクイーンの母となるわけだ。期を同じくしてジャアクキング様も新生する。
で三年目当初、クイーンとジャアクキング様はそれぞれ子供の姿となっている。二者は子供から育ってゆく。九条ひかり−あのお方とは異なり、クイーンとジャアクキング様は自分が何者であるか分かっている。
ラスト前まで飛ぶ。多分それまでに何度か出会い、何かある。いろいろ。ラストまでにはクイーンはほんとうのクイーンになろうとし、ジャアクキング様はほんとうのジャアクキング様になろうとする。
ジャアクキング様をなんとかまた倒せそうなプリキュアたち。しかしそこでクイーンが言う。

クイーン「光と闇とは表裏一体。闇を何度倒しても、光ある限りまた闇は現れる。闇を恐れてはいけない。闇を倒してはいけない」
ジャアクキング様「そのとおりだクイーン。おまえがいる限り私もまた存在する。そして最後には、私がおまえを飲み込むのだ」
プリキュアたち「じゃあ私たちは何のために戦ってきたの? ジャアクキングは倒せないならば、私たちはどうすればいいの?」
クイーン「闇を受け入れるのです。あなたたちが戦ってきたのは、闇を受け入れてもなお光を失わない強さを、あなたたちが身に付けるためなのです」
プリキュアたち「闇を… 受け入れる… 光を失わない強さを…」
クイーン「そうです。あなたたちはもうそれができるはずです。信じるのです。あなたたちの心の中に育っている、強い光の力を信じるのです」
ジャアクキング「無駄だ! 闇は必ずすべてを食い尽くす。光は闇に飲み込まれる宿命なのだ」
クイーン「信じなさい。あなたたち一人一人の中にある光の力を。すべての生きとしいけるものたちが結びついて生み出される、真の光の力の輝きを」
手をつなぐプリキュア、ルミナス、獣たち。世界が光り始める。
ジャアクキング様「なんだこの光は… 私の体が… この私の闇の力が…」
クイーン「ありがとうプリキュアたち。闇のジャアクキングよ。今こそ私と共に生まれ変わるのです。真の姿へと生まれ変わるのです」
クイーンは光そのものへと変化し、ジャアクキング様は闇そのものへと変化する。そして二つは引き合い、接近し、そして二つの筋となって螺旋を描きながら天高く舞い上がってゆく。残された二つの光跡は二重螺旋のように天空へと伸びている。
プリキュアたち「クイーン!」
天高く、光と闇とが一点で回転を始める。まるでふたつがワルツを踊るように。そしてプリキュアたちの心の中に、闇が入り込んでゆく。つなぐ手に力をこめ、光の力の輝きを信じるプリキュアたち。辛かったこと、楽しかったこと、すべての思い出を力に変えて。そして光と闇とは重なり合う。
静寂。
そして重なり合ったソレがまっさかさまにプリキュアたちへ落ちてくる。
クイーンの声「信じなさい。真の光の力の輝きを! 闇を恐れてはいけません。闇を受け入れるのです。光を受け入れるのです」
ソレの中で、クイーンとジャアクキング様は子供に変化する。ふたりは見つめあい、やがて手をつなぐ。左手と右手。右手と左手。クイーンとジャアクキング様はついにひとつの輪となったのだ。さらに輝く二つの命となり、そしてひとつへと…
プリキュアたち「光と闇よ、ひとつとなれ。そして、新しい命となれ!」
光! すべてを生み出す光! 鋭い静寂。そして天空からだんだんと聞こえてくる緩やかな、懐かしきリズム。そして発せられる息吹。それは泣き声。小さな光が天空から舞い降りてくる。それは新しい命。人間の姿をした赤子。

こんな結末になったらイイナ。これやったらビビルだろ。たじろぐだろ。つか覚悟のススメだな… 実は明日に続いちゃったりしてますデス〜