1 御高倶女子ラクロス部はドツクゾーン

今回のお話は以下のような流れだった。

  1. 選ばれし存在のなぎさを羨んでいた選ばれなかった永沢さんが
  2. ベローネへの恐れを抱き、御高倶女子ラクロス部を木偶の集まりにして立ち向かおうとした。
  3. 永沢さんはベローネまで出向いてなぎさに打倒を宣言するが、
  4. 永沢さんはなぎさの影響力でラクロスの楽しさを思い出し
  5. 御高倶女子ラクロス部は笑顔となり、プレーは自発的となり
  6. 試合後半は両チームともに勝敗は問題ではなくなり
  7. なぎさと永沢さんは仲間として手を握る

御高倶女子ラクロス部(以下御高倶女子。オタ女と略したいが字面がアレなので)はドツクゾーンだった。永沢さんはジャアクキング様だった。話はそこから始まる。では御高倶女子と永沢さんのどのへんがドツクゾーンだったのか。
まずは御高倶女子から。御高倶女子は永沢さんによる、永沢さんのための、永沢さんのチームである。永沢さんは御高倶女子の絶対的な支配者である。チームのメンバーは永沢さんの命令に絶対服従である。チームに笑顔はなく、恐れと緊張だけがある。永沢さんはチームに「とにかく練習を繰り返して、フォーメーションに沿って正しく動くこと」だけを求めている。個人や自由、楽しさは考慮されない。それが絶対者である永沢さんの理想である。
しかしそれで永沢さんが満足しているかといえばまったくそんなことはない。永沢さんの心は常に打倒ベローネを追い求めており、彼女は支配者でありながらその感情に支配されている。永沢さんにとって勝利こそすべてである。
と、あからさまにドツクゾーンとの類似点を類似点らしく挙げたので、そういうことだ。ドツクゾーンジャアクキング様が絶対者として君臨する。ジャアクキング様のジャアクキング様によるジャアクキング様のための世界だ。闇の人々はジャアクキング様の命令に絶対服従である。笑顔はなく、恐れと緊張だけがある。
しかしジャアクキング様は、そんなドツクゾーンでも幸せではない。打倒プリキュア打倒クイーンという目標と、自己崩壊の不安にさいなまれている。