披露宴再び(2)

前回のあらすじ

一体プリキュアコスプレを封印されたわたしに何が残されているのか。プリキュアだけは、か。
プリキュアだけ……
だけ?

dokoiko I(西暦2005年10月20日02:40)

エヴァ
エヴァなら簡単だし、費用も抑えられる。コスチュームが要らない。ハンズでフェイスペイント用の黒と紫と緑とオレンジを入手して、素肌に塗り塗りする。まあ競泳用のパンツぐらい履いておこうか。あとはダンボールで頭部拘束具と両肩と膝のパーツを作ればよい。また全身脱毛しないとな。

新郎友人挨拶(初稿)

司会者「それでは続いて、新郎の友人であるエヴァンゲリオン初号機様よりご挨拶をいただきます」
残酷な天使のテーゼエヴァンゲリオン初号機、ごく普通に歩いてマイクまで。
初号機「ただ今ご紹介に預かりましたエヴァンゲリオン初号機です。本日はアンビリカルケーブルを挿しておりません。わたしの活動限界は約1分ほどとなりますので短めの挨拶とさせていただきたいと思います。えー、新郎との出会いは新卒同期として同じ部署に配属されたのがはじまりでした。彼について非常に驚いたのは、なんと…」
と思ったらこの辺で1分ほど。スピーカーから流れてくるのは第19話の「エネルギーが、切れた」「初号機、活動限界です。予備も動きません」
突然うなだれて動かなくなる初号機。そして次にスピーカーから聞こえるのは鼓動。鼓動。鼓動。鼓動。またちょっと編集して第2話につなげる。「エヴァ、再起動」「そんな… 動けるはずありません」「まさか」「暴走?」
初号機暴走。吼える。吼える。吼える。暴走しながら立ち去る。
終劇
ポイントとしては、一発ネタでしかもオタク以外には意味不明のため、とにかく短く。シト新生サキエル戦での暴走シーンのほうが使いやすいか。

買出し、製作開始(西暦2005年10月20日19:00-23:30)

勤務終了後に東急ハンズへ行く。インフォメーションボックスのお姉さんにフェイスペイントの場所を聞く。パーティーグッズ売り場に行く。あった。黒とオレンジはあった。緑は深い色のものしかなく、紫は置いていなかった。置いてある中では深い青が紫の代わりになりそうだった。
売り場のお姉さんにチューブ1本で塗れる面積をたずねる。5回分ぐらいとのことだった。もちろん「全身を何回塗れますか」などと聞かない。顔を全部塗る回数をたずねたので、顔を5回ならテストと本番用に3本買っておけば十分だろう。青3本、黒と緑とオレンジは1本ずつ購入する。
次に絵画関連売り場へ行き、拘束具を塗装するためのポスターカラーを購入する。青、黒、緑、白。パレットと筆も買う。そしてダンボール工作用に接着テープを探す。ポスターカラー塗装可のテープがあれば最高なのだが、そんな便利なものは無かったのでひとまずいちばん安いガムテープを購入。今日は(と言ってもあと2日だが)仮組みと塗装に注力しよう。接着については作りながら考えよう。
帰宅。簡単なパーツから製作開始。肩部板状装甲を作る。長い直方体を作る。短い直方体を作る。それらをL字型に組み合わせる。肩に上から嵌められるよう、L字の底部を逆U字型にくりぬく。ちゃちな造形だが、まあ色を塗ればそれなりになるだろう。ダンボールだからなあ。もっとシリアスに見えるかと思ったのだが、ちょっと出し物の演出方向を修正しないといけないかな。そう思いながらもう一本肩部板状装甲を作成。
気晴らしにフェイスペイント絵の具を塗ってみる。いい感じだ。手に塗ったらフェイスペイントじゃない。まあ本番では全身に塗るのだが。
エヴァOPのように

人の作りしもの(西暦2005年10月21日00:00-04:30)

肩部板状装甲がかなり安っぽいできになった割には時間がかかったので、頭部拘束具の製作に不安を覚える。取り敢えず大きく長方形を切り出す。短辺から切込みを入れて、顔面上部を覆うように整形してみる。なんとかマスクっぽく整形してみた。ガムテープで仮止めする。鏡の前に立って被ってみる。
「最低だ…… これって」
どう見てもエヴァじゃない。どっちかというとゲッターロボとかそんな感じ。やばいやばいやばいって。緩やかな曲線にしないといけないのだが、本番二日前である。
(つづく)