ひかり空回りする〜MH第19話(1)

必殺仕事人のようなタイトルになっているな。今回MH第19話は、なぎさ転校の話が冒頭でいきなりオチてしまう。だから視聴者にとっては、転校がなぎさの早とちりであることが分かってからずっと、気分としてはエピローグのように弛緩した雰囲気となっただろう。弛緩といっても今回の話数全体についてであり、ひかりに起こる出来事については別です。開始2分ぐらいで全体の話が終っており、洋館の少年も今回は描かれていない。だから今回の話数は、いわば番外編という位置にある。お話の中核はひかりの一人称で進行しており、タイトルをつけるならば「ひかりはルミナス(ふたりはプリキュア番外編)」になっている。
なぎさ引越し問題の信じられない早期解決は、今回の話数を「ひかりはルミナス(=ひかり一人称のお話)」にするための手段だろう。僕の感じとしては、今回は戦闘についてもプリキュアたちはルミナスの助っ人として配置されていた。

お話の印象が割れそう

なぎさは美墨家引越しが早とちりだと分かってから安心しきっていて、ほのかは何も知らないから心配のしようが無い。そこでタダひとり、ひかりがとんでもなく生真面目になぎさの言葉を信じてしまい苦悩する。ひかりの身になってみれば泣いてしまうぐらい大きな問題である。であるのだが、視聴者にとっては、ひかりがひとりで空回りしている状況が分かる。
今回のひかりが空回りしていたというのは、おそらく誰もに認めてもらえるだろうと思う。しかし今回のひかりを滑稽に感じてしまうか胸を締め付けられる痛みを感じてしまうかというのは、ひとえに視聴者の個人的感受性にかかっているだろうと思われる。視聴者のあなたが自分の存在基盤を疑いようの無い確実なものだとしているのならば、今回のひかりは滑稽に映るだろう。そしてもし自分の存在基盤に不確かさを感じるのならば、ひかりが背負っている孤独の深さが見えるだろう。もしかしたら放映を見つづけることができなかったかもしれない。