3 前回の振り返りを振り返る

また、放映の最初に前回を振り返るのも、ほぼ全てについてなぎさが思い返すという形式となっている。なぎさ思い返しではないパターンは…

話数 振り返りについて
第1話 当然振り返ることが何も無いのでやっていない。
第22話 キリヤ消滅の次の回。珍しくほのかが前回第21話で消えていったキリヤのことを思い出しているという形がとられている。ただし途中になぎさが番人カードを見つめながらキリヤ戦を思い出しているシーンが挟まっており、お互いにとってそれぞれの形でキリヤが心に残っているという演出になっている。ただしほのか視点で振り返っているのはここだけなので、キリヤをそれだけ大切にしているわけだ(なんと言ってもオーラスがキリヤネタだったのだ)。
第25話 光の園へ行く回。回想が無かった。しかしプリズムストーンは前回第24話で全てそろっており、さらにのっけから光の園へ行くシーンだった。石がそろっているということは「もう戦うべき敵がいない」状況であり、戦いの日々だったそれまでを振り返る必要は無い。「新たな段階なんだよ」ということを表現するために、振り返りをなくしたのだろう。
第26話 ドツクゾーンへ。前回第25話のラストである「イルクーボが二人を連れてドツクゾーンへの通路を飛んでいる」シーンをもう一度繰り返し、話の連続性を表現している。第25話に続いて振り返りが省略されているが、今度は「のんきに振り返っている場合じゃない!」という緊迫感を演出するために、振り返りを省略している。この手法は実際に緊迫感を生んでおり、見事である。
第33話 志穂莉奈回。前回の振り返りが無い。「この回は番外編ですよ!」ということだろう。
第42話 「二人はひとつ!なぎさとほのか最強の絆」回。前回の光の力が爆発したシーンだけをさっとフラッシュバックさせ、すぐに話をはじめている。簡潔にしてしっかりと前回の流れを取り戻すキレのあるやり方だ。
第43話 「激揺れまくり!〜」回。藤Pネタ1回目。回想抜き。これも番外編扱いだろう。
第44話 クリスマス回。藤Pネタ2回目。なぎさ回想が、なんと藤Pのみ。番外編続きということだ。
第47話 みんなそろってドツクゾーンへ。なぎさ回想ではなく、BGMのみでベルゼイが光の力を手に入れるシーンの繰り返し。前回最終決戦と同じく、非常事態の緊迫感を演出している。
第48話 BGMのみで前回を振り返り、最後にほのかの「キリヤ君…」をかぶせている。この一言だけを繰り返すセンスには脱帽。
第49話 振り返りを省略していきなり話をはじめている。振り返りを許さない!という最高の緊迫感を演出している。
MH第1話 分身編開始回にはなぎさ回想があったが、今回はない。いったん完全に終ったんだよ、という宣言。だが光の園では話が続いているという設定であり、なぎさほのかの寂しさを良くあらわしている。

余談。第二シリーズ分身復活編の開始である第27話ではちゃんとなぎさ振り返りに戻しており、第二シリーズが第一シリーズの続きであるということを強く印象付けている。マックスハート第1話では振り返りが無く、一度しっかりと物語を終らせているということがわかる。
余談その二。第32話ではアバンでジャアクキング様復活を振り返っているが、これはBGMだけ。OP後になぎさ振り返りもあり、闇の側と光の側の両方の物語を丁寧に振り返っている。分身復活編では闇の側回想はBGMだけ、光の側もなぎさ振り返りを主にしたもの、というように二段階の振り返りを続けており、闇の側だけでも話が進んでいたことがわかる。