2 多人数一人称の物語

ということで二年目のマックスハートに話を移そう。マックスハート開始時点では、視点を任せられるぐらいに視聴者へ露出している人物がたくさんいる。現時点の光の園側では、なぎさほのか、メポミポ、ポルン、長老番人が視点を任せられる人物だろう。
MH第1話ではクイーン崩壊のシーンを番人長老の視点で描いていた。MH第2話はなぎさほのかの視点でほぼ全てが進んだ。第2話ではなぎさほのか長老番人がなぎさ部屋に集合し、マックスハート物語の世界観と今後の展開を説明したのだった。説明回は説明会と割り切り、構成は一年ずっと続けてきて受け入れられている「なぎさ一人称」にとどめておいたわけだ。
そして説明が終ったMH第3話で、マックスハートで採用する新たな演出構成である「多人数一人称」を出してきたのだと思われる。なぎさのいないなぎさ部屋には長老と番人とシークン(とポルン)がいることになる。一年目のなぎさ一人称視点であれば、彼らはなぎさが帰ってくるまで描かれないことになる。メポミポは変身に必要であるから、常になぎさほのかといっしょにいる。でも他の光の園者はそうではないので、なぎさ一人称視点から外れることとなる。ということでマックスハートでは、なぎさほのかがいないシーンが描かれることとなる。
ただし一人称であるという、より根本的な構成には変化が無い。一人称というのは厳密に使っているわけではなく、ナレーションが入らないというぐらいの意味だ。ナレーションにしてもいい説明がたくさんあるが、メポミポが語ったり、長老番人クイーンが語ったり、ジャアクキング様やイルクーボが語ったりしている。それも視聴者に向けて語るわけではなく、登場人物の誰かに向けて語っている。