5 つなぐということ

つなぐといえば、まずはなぎさとほのかである。今回第48話のラスト絵は、第8話のラストシーンであった。なぎさとほのかが堤防で手を取り合って学校へと向かう後姿だ。この段階であのカットを持ってくるということは、「ふたりはプリキュア」の核があのシーンだということを宣言しているということだ。つながることこそが最高、最強であるということだ。それも戦闘という非日常の極限状態での協力ではなく、日常の弛緩したけだるい時間にすらお互いを必要としているという無目的な絆でつながっているということが最高、最強であるということだ。
もちろん戦闘時には、ブラックとホワイトは第一話からずっと毎回手をつないできた。そもそも手をつながなければ変身もできないし、飛び道具も出ないので敵をその場で退却させることすらできない。また、ピンチになって動けなくなると、そこから逆転するには必ず手をつないで励ましあってきた。
次に、メポミポである。これは手をつなぐわけではないが、なぎさとメップル、ほのかとミップルは常に手の届く距離にいる。また戦闘時には物理的に接続している。手をつないでいるのと実質的に変わらない。
キリヤは入澤キリヤとしてほのかと精神的にけんかと仲直りプロセスを経てつながっていたし、第21話でプリズムストーンを手渡すときには物理的にてをつないでいる。そして帰ってきた第47話では、キリヤがブラックとホワイトの手を取って危機一髪の救出をしている。キリヤと番人&ポルンについては別章にて詳説する。
番人とポルンは、なぎさほのかと手をつないではいない。しかし彼らは彼ら同士で手をつなぎ、プリキュアと同じように決めセリフを吐いた。手をつなげば伝説の戦士プリキュアと同じようにすることができるというこの描写は強烈だ。なんせあのシーケンスは主人公たちにしか許されていないという暗黙の了解が成立しているのだ。あれは「変身ッ!」と言えばウルトラマンでもないのにウルトラマンになれたり、ライダーではないのにライダーになれたりしてしまうぐらいの反則技である。
しかもその直前に長老が「力を合わせれば何とかなる」とセリフで分かりやすくダメ押しをかましているのだから、小さいお友だちですらあのシーンを読み間違えることは無いだろう。「手をつなげばだれでも強くなれる、プリキュアになれる」ということだ。