4 弱きものたちの物語(続)

なぎさとほのかは戦士プリキュアに選ばれてからというもの、別に強くなっているというわけではない。そして非日常世界での仲間であるメポミポ、ポルン、番人、長老、クイーンは戦士ではない。
もうあと1年目無印プリキュアの最終話しか残されていないというのに、プリキュアたちがどうやってあのジャアクキング様を倒すのかまったく見当がつかない。だってジャアクキング様の背後攻撃がなければレインボーストームも耐えただろう、光の力を得て三位一体になった分身たちですら、ジャアクキング様はたやすく飲み込むのだ。そして光の力を得た。世界の半分ずつを分け合ってきた光と闇とが、いまジャアクキング様の中でひとつに融合しているのだ。形の上では今のジャアクキング様は完全体なのだ。
光の側は情けない人たちばかりだ。そして来週いきなりプリキュアたちが新必殺技伝授の修行に出るわけでもないだろう。ということは、このまま情けないままの人たちだけで、来週にはジャアクキング様に打ち勝つわけだ。論理上はそういうことになる。一人一人は弱いままで、しかしそんな弱きものたちが完全な存在に立ち向かい、それを打ち破ることになる。
一人一人は弱いが、その弱きものたちが集まって力を合わせれば完全な存在にすら勝てる。というか、たとえ完全な存在であったとしても、その完全な存在がひとりならば勝てないということなのだろう。「ふたりはプリキュア」の世界では、絆こそが完全な存在よりも強いのだ。それを映像で表現しているのが「つなぐ」という行為だ。