3 神から人へ

ほのかについてはずいぶん前のほぼプリにて、神から人へと正しく堕ちることが彼女の課題になるだろうと書いておいた気がする。気がするだけかもしれない。4月かな。
ほのかは初期設定の時点ですでに人ではないような何かとして視聴者の目に映るようになっている。由緒ある大豪邸に住む学校一の秀才、努力家、うんちく女王。学校の先生たちにも認められている。プリキュアであることを当然のように受け入れ、怠惰なことは一切行わず、悪には決して退かない。人気者というより尊敬され、後にはほのかを崇拝するユリコまで出てきた。現人神のような存在だろう。
神といってもいろいろな類型がある。ほのかの場合、初期「うんちく女王」時代の描写は人の心に無頓着で、理念に強く惹かれているというものだった。一神教の中でも信者に苛烈な要求を行うヤハウエのような感じだ。
ほのかは今回第33話において、うんちくで莉奈を追い詰めたり断定したり指示したりはしなかった。話を聞き、自分の体験を話しただけだ。自分はこういう体験をした。それだけだ。だから莉奈はどうすべきだということは言わない。ほのかが人になったのかどうかは分からないが、少なくともヤハウエのような理と裁きの神ではなくなっている。
ジャアクキング様最終戦で光のクイーンが何も言わずプリキュアたちに加勢し、たまに預言だけを残している。ほのかはなぎさにとって、そういう光のクイーンのような存在になっている。
顔も崩れてきているし、いつのまにか突っ込み役はなぎさからほのかに交代しているし、ほのかの人間化はちゃくちゃくと進んでいる。ほのかにとっての成長とは、やはり正しく神から人へと堕ちることだ。