6 分身たちの人格を描写するきっかけ

ということで現在番人は分身たちに捕われているわけだが、彼が捕われることで分身たちの日常にドラマが生まれている。分身たちはもともとひとつなのだし、別に語ることが生まれるような生活をしているわけでもないから、ただ集まっている風景しか構成できない(これはレギーネの不安定さを描いているので今後動きがあるかもしれない)。
そこに番人が入り込んできたため、分身たちは言葉を語らなければならなくなった。異なる立場の番人が分身たちとやりあうことで、分身たちの性格が描写されることになる。レギーネが抑圧された精神を持っていることや、社員角沢とジュナはそれほど変化がないということ、ベルゼイ・ガートルードは結構がまん強いことがわかる。
敵サイドの描写については、ドツクゾーン編がジャアクキング様のお叱りと魔人どうしのいがみ合いで進展していた。しかし復活編では三位一体の分身たちしかいなかった。敵が魅力的であるほうが戦いは盛り上がる。敵の背負うものがはっきりしていれば、そこにドラマが生まれる。キリヤはその典型だった。今回は分身たちと番人との会話が敵サイドで行われる会話の大半を担うことになるだろう。そして分身たちの言いなりにならない番人への苛立ちが分身たちの心に波を起こし、そこに物語がたち現れてくるかもしれない。