2 自滅を続けるザケンナー

今回ザケンナーが自滅したのだが、あれは前回のレギーネ覚醒のシーンと重ねると意味がはっきりするのではないかと思うのでそのあたりを。
レギーネ覚醒時には、ザケンナーが彼女を守るように動いていた。それはザケンナーと直接戦闘をしていたプリキュアたちも感じていて、実際なぎさが「どっか違うと思ってたんだ」といい、ほのかが「きっとあの人を守ってたのね」と述懐している。そしてレギーナが火山のエネルギーを吸収し尽くして完全に覚醒すると、ザケンナーたちはひとりでにゴメンナーへと変化して消えてしまった。
あのときのザケンナーたちは覚醒したばかりで戦闘力の無いレギーネを守るために登場し、レギーネが戦闘力を確保すると役目はなくなった。ザケンナージャアクキング様の従属物だとすると、ひとまずレギーネがちゃんと覚醒するまでのつなぎとしてザケンナーたちは虹の園に派遣された。そして役目が終わると、ザケンナーではプリキュアに太刀打ちできないため、無駄な消耗を避けるためにザケンナーたちを自滅させたと考えていいだろう。
ということを考えると、今回のレントゲン装置ザケンナーが自滅したことも同じだと考えることができる。今回はガートルードがエネルギー充電中の自身にプリキュアを寄せ付けないために出してきたザケンナーだったのだ。今回、プリキュアマーブルスクリューを打ってザケンナーを消滅させたときにはすでに、ガートルードは充電を完了して屋上から姿を消していた。それまでのどこかの時点で充電を完了したわけで、それはおそらくザケンナープリキュアに向けて突進していたときなのだろう。
壁に激突したあとのザケンナーから触手のようなものが抜け落ち、その後悩ましげに頭のようなものを振りながら「ザケンナァ〜〜〜…」と悲しげな叫びをあげたのは、「ご主人様〜〜〜、用済みだからって見捨てないでくださいまし〜〜〜」という哀愁が漂っていたように感じた。
いままでずっと、単なる戦闘機械というか鉄砲玉としてしか描かれてこなかったザケンナーだったのだが、今回初めて「鉄砲玉の悲哀」のようなものを表現したわけだ。これをやるとプリキュアがマーブルスクリューを打ちづらくなってしまうからあまり露骨に表現することはないだろうが、小さなお友だちには分かりにくく、そして大きいお友だちには分かるような描き方ができるのは良いことだと思う。