4 受け入れるキリヤ

段階2だ。聖子のことをまったく考えずほのかに会いに行くキリヤ。人のことを思うようになることがゴールなのだと答えるほのか。段階2ではキリヤが間違っていて、ほのかがそれを諭す関係になっている。

キリヤ「ていうか、周りが何考えてんのかよく分かんなくって。どうすればいいのかなって。周りのことが分からないって、よくあることだと思うけど…」
ほのか「もしかしたら、自分からちゃんと付き合おうとしてないからじゃない? 例えば自分のことをきちんと相手に伝えようとする気持ちかな。それが伝われば、きっと相手も一生懸命答えようとすると思うの。それでほんとにお互いのことを思えるようになれば、優しくもできるし怒ることもできる。人と人とのつながりって、そんなもんじゃない? それよりこの前の傷は大丈夫?」
キリヤ「え、ああ、この通り」
ほのか「よかった」

こんな正論をあたりまえのようにかましておきながら、キリヤのことなど全く考えていないのがほのかなのだった。というのは先取りになる。上記ほのかの正論を聞いているときのキリヤは、何の表情も示していない。それは自我のフィードバックを停止しているということで、演技を忘れてしまっているということだ。ほのかの言葉ならキリヤは素直に受け入れることができる。それを消化することができるかどうかはまた別の話なのだけれど。
ここでほのかの言葉を受け入れてしまったからこそ、キリヤはポイズニーが現れても邪魔くさそうに半分無視したし、段階3で絶叫することとなる。

(明日へ続きます)