第8話への伏線

みんな当時は第8話第8話言うてたわけだが、実は第7話もそうとうハイレベルな構成と演出だ。第7話と第8話は前後編であり、起承と転結という流れとして整理することもできるし、ネガとポジとして整理することもできる。

反転された構成

第7話の構成は、ギャグの中にシリアスを紛れさせている。教頭先生が全編に渡り出てきて、なぎさ達にわめいたり校長先生に媚を売ったり、果てはザケンナー化するけれど実は努力家であることが暴露されたり。第8話はシリアスの中にギャグが入っているわけだ。
また、第7話ってなぎさが悩むお話だったということにようやく気が付いた。ほのかはなぎさの試合を壊さないため、ひとりでゲキドラーゴに立ち向かう。第7話はほのかが積極的になぎさに働きかけており、ほのかの幸福感がメインテーマになっている。第8話はそれがまったく反転するわけで、なぎさが能動的にほのかへ働きかける立場になる。

固まりかける友情

美墨さんを応援するためにわざわざやってくるほのか。美墨さんを自慢するために幼なじみの藤Pをわざわざ呼びつけるほのか。友達という言葉に「友達って言えば友達なんだけど、不思議な仲ってやつかしら」と答え、美墨さんとの関係をそう整理することでますますうれしくなるほのか。美墨さんの試合を壊さないためひとりで(変身できないことは分かっているのに)戦おうとするほのか。美墨さんの復活を心から喜ぶほのか。
雪城さんをスタンドに見つけてうれしくなるなぎさ。雪城さんのピンチに試合を捨てて駆けつけるなぎさ。
しかし、ふたりの関係が危ういことは暗示的に明らかである。ほのかののめり込みが深すぎて、なぎさの躊躇と釣り合いが取れていない。

第7話あってこその第8話

第7話はひとまずハッピーエンドであるが、全体を通した印象として言えばお話は全く終わっていない。第7話の詰め込み具合も第8話に劣らずすごい。そしてこういう不安定なテンションを維持するお話を書くのはすごく難しい。第8話のように見事に起承転結するお話に劣らず。いや、第7話のようなお話を書く機会はなかなか無い。だから経験に頼れないという意味においては、第7話のほうが難しいと思う。だからこそ第7話を川崎良氏が書いたのだろう。

ていうか

第7話のほのか、エロかわいい。