2 ストーリーを盛り上げてゆく仕掛けに満ちていた先代

エピソードについてはおいておいて、先代プリキュアのストーリーを振り返ってみる。

  1. 絶滅戦の緊張感:ジャアクキング様が光の力を求める理由は、何度も繰り返し協調されていたため良く分かった。ジャアクキング様の中にあり、自らの存在そのものである「すべてを食い尽くす闇の力」がジャアクキング様自身すら食い尽くしつつあり、死なないためにはすべてを生み出す光の力を手に入れなければならなかった。
  2. 5人の敵の内部劇:S☆Sとは異なり、先代シリーズでは早々に敵の面々が明らかにされた。反目したり強調したり、彼らの相互作用がストーリーに絡んでいた。
  3. なぎさとほのかの相互理解:言わずと知れた第1クールのメインストーリー。
  4. キリヤの行方:第2クールのメインストーリー。
  5. 分身たちの反逆:無印後半のメインストーリー。
  6. 九条ひかりの行方:MHを引っ張りつづけたメインストーリー。
  7. あのお方の行方:MH全半はまったくの謎、後半は九条ひかりとの対照関係が明白となり、ストーリーの中心へ。

と、先代シリーズでは無印、MHどちらも敵味方双方がそれぞれストーリーを持っており、さらにそれが絡み合い相互作用しながら進展した。
というように、先代プリキュアには常にストーリーが存在した。いや、無印後半はじめのポルン登場から分身たちが運命が動き出すあたりまではストーリー少なめである。ただここではポルンおよび分身たちのキャラクタービルディング、および番人の捕囚と脱出がストーリーとして扱われている。よってストーリーがまったく展開していないというわけではない(つーか、このあたりの無印の第35話から第40話ぐらいまで、分身たちはカッコイイしなぎほのはアレだし、ある意味プリキュアOVAって感じですごいよな。絵も現代化してるし)。
S☆Sと比較する上で強調しておくべきことは、先代が常に「進行しているストーリーの中で今どのあたりなのか」が分かるようなつくりであるということだ。この感じはいまのところ簡潔に書き出せないので引き続き考えたい。