1 チャート設定〜脇役としての変化

志穂さんと莉奈さんは登場当時、思いっきり脇役設定なのだった。なぎさほのかに比べると見た目はぱっとしないし、志穂はちんちくりんで莉奈はのっぽだ。とりあえず極端を割り振ってみたという感じである。更に性格も極端で、莉奈は冷静で気配りの人で志穂はハイテンションのマイペース。で志穂莉奈は事実上の主人公であるなぎさの友人だったからまだそれで済んでいたものの、ほのかの友人はもうアレもんだった。科学発表会とキリヤを通じてユリコが台頭してきたものの、ユリコにはいまだに苗字が無い。
まあそれはそれとして。志穂莉奈は現在、ほのかとも有効な関係を結ぶようになっている。無印第29話ではいっしょに夏祭りに行っているし、無印第33話では志穂との仲違いについてほのかへ相談を持ちかけている。
さらに無印第40話ではユリコ付きだがほのか宅でパーティーをして、無印第42話でほのかが珍しくボケるとフォローしないでそそくさと立ち去ってしまった。フォロー無しというここの描写は冷たいものではなく、フォローしなくても大丈夫な関係になっているということだ。そしてマックスハートになってからは、MH第20話のぽん太の介で莉奈はほのかがいても自分のゆれる気持ちを表に出している。
んで修学旅行ではもうずっと四人で行動しており、なぎさ−ユリコよりもほのか−志穂莉奈のほうがずいぶん近くなっている(しかしほのかを名前で呼ぶのはなぎさだけで、ほのかはなぎさだけを名前で呼ぶという特別性は譲らないところはさすが)。そいえばとうとうユリコはエンディングから脱落してしまっているな…
ということでスーパー脇役としての志穂莉奈をチャート化してみる。脇役はあまり長い物語を背負ってしまうとそれは脇役ではないわけで、志穂莉奈はあまり成長していない。というか脇役に主役と同じ図式を適用しても意味ないので、脇役としての変化を取り出せるような軸を考える。
ひとつは「利己的−利他的」としてみた。これは主人公のために動くか、自分たちのために動くかというのを想定している。もうひとつは「刹那的−思慮的」とした。これは主に志穂莉奈の性格分類からこうしている。元々志穂莉奈の性格設定として、志穂が思ったことをホイホイ口にしてしまい、莉奈がよく周囲の状況を見ているという感じがある。これが志穂莉奈の基本設定だとすると、そこからどう動くかというところで物語ができているのではないかと考えたからだ。


志穂莉奈分類
すると、行動が空回りしがちな「利己的−刹那的」、場を回していくような「利他的−刹那的」、何を考えているのか分かりにくい「独立独歩」、大事なところで役に立つ「縁の下の力持ち」というような行動類型になるだろうと思う。