2-2 MH第36話、更なるポルンの成長

無印最終話では光と闇との戦いの中でポルンが覚醒したのだった。今回MH第36話では、日常側で描かれた望のお話にてポルンが覚醒した。だだっ子ポルンから突然「未来へ導く光の王子」へと変身した。そしてどちらの話も、ポルンの覚醒によりお話の主役がエネルギーをもらうことになった。
しかし二つの話においてポルンが果たしている役割が異なっている。無印最終話におけるクイーンの役割を、今回MH第36話でのポルンが果たしているのだ。無印最終話におけるポルンの役割は、今回は望が担っている。


役割 無印最終(第49)話 MH第36話 コメント
主人公 ポルン 頑張る。道が開く。
承認者 クイーン ポルン 主人公を導く
承認者の言葉 大好きなプリキュアのために自分の力を信じろ 大好きな父のために勇気を出せ 大好きな人のために頑張る
対象者 プリキュア 父(母) 主人公がめがけている対象
目撃者 番人、長老 ひかり、なぎさ、ほのか 周辺の人
その後 クイーン消滅 ポポルルを返す 承認者との別離
ということで、基本線はどちらも「主人公が承認者のアドバイスで頑張って、事態を動かす。その後、主人公は承認者の手を離れる」であった。それについては前節に言及したので、この節ではポルンについて言及する。上にまとめたように、二つのパラレルなお話の中で、ポルンは前回と異なる立場にいる。前回(無印最終話)では導かれる立場であったが、今回(MH第36話)では導く立場になった。
今回のポルンが見せた機転は、無印最終話を知らなければ単なるご都合主義である。ルルン登場以降ちょっとずつお兄さんになってきているポルンであるが、普段のポルンを考えると今回の機転は突然に思えるだろう。
しかし今回のポルンが、自分を承認し励ましてくれた無印最終話クイーンの姿を真似ているのだと思い当たるとそうでもない。どちらの話でも、ポルンは「役に立ちたい」という気持ちで行動している。それは変わらない。ただしポルンは、今回の望がかつて(無印最終話)の自分自身と同じように震えていることを感じた。そして今度は自分がかつてのクイーンのように振舞うことを思いついた。
単なる猿真似といえばそうだ。でもマックスハートで描かれようとしているお話は「次代へ(先代から)の継承」である。ポルンにできることは、まだ見様見真似で精一杯だろう。問題はかたちではない。ポルンが「誰かの役に立ちたい」と思った時、かつてはクイーンに頼らなければならなかった。しかし今回、ポルンはかつて自分が頼りにしたクイーンの姿を覚えていた。今回のポルンは先代(クイーン)の心と行動を継承しようとしたということなのだ、と思う。