13 大和屋を続けること、プリキュアを続けること

大和屋のおばさんがお団子作りを辞めてしまうということは、なぎさとほのかがプリキュアであることを辞めてしまうことと同じなのだ。そして大和屋のおばさんがお客さんとの相互関係に気が付かなかったことは、プリキュアの彼女たちが虹の園の人たちのことを考えないことと同じなのだ。
たしかに、高齢で立ち仕事を続けることは辛いことだろう。それに「待っている人がいるから辞めてはいけない」と言ってしまうことは、大和屋のおばさんにお客としての気まぐれなその場だけのエゴをぶつけているだけとも言えるかもしれない。
しかしプリキュアとして戦っているほのかの気持ちとしては「辛いことかもしれないけれど頑張って欲しい。それでもお団子を作りつづけることで得られるものがあるはずだ」と、大和屋のおばさんの状況が自分の状況に重なってしまったのだろうと思う。
プリキュアとして戦うほのかも、戦いをやめることができる。ほのかが戦いをやめて、失われるものは(大和屋のおばさんと同じく)笑顔である。なぎさの、家族の、クラスメイトの、科学部員たちの、関わりあう全ての人々の笑顔である。