10 影山さんの作劇とマックスハートが目指す作劇

MH第32話は初登場の吉村ゆうさんが脚本を書いていて、影山さんではなかった。理由を考えてみると、影山さんの作劇とマックスハートが目指す作劇とが異なっているからなのかなあと思う。

小田島友華のお話

小田島友華のお話は、MH第24話の合宿で区切りがついた。小田島がなぎさを受け入れてしまったので、今後の出番があるとすれば無印ラストでのキリヤのようになぎさのピンチを救うような役割になるものと思われる。小田島主体でお話を作るのは難しいだろう。

イベント中心のお話

小田島以外での影山さんはイベント主体のお話を作っている。それ自体は影山さんだけの特質ではない。ただしお話はいつもの面々によるやりとりが中心になっていて、イベントに関連して登場する人物たちとのやり取りはそれほど描かれていないように見える。
イベントで普段とは違う人たちが出てくるというのは、かたちとしてはマックスハートに適している。とはいえ影山さんの作劇が、マックスハートが目指していると思える「縦の物語=他者理解の物語」に適しているかというと、かたちほどには適していないのではないかと思える。
影山さんがよくないということではなく、マックスハートが目指しているお話とは相性がいいとはいえないということだ。影山さんの作劇は、無印のように横の親密な関係を描くタイプのように見える。