2 意図せざる超越者としてのルルン

ポルンも無印での初登場時には、登場人物のなかでも飛びぬけてたいがい子供だった。しかしルルンが物語の中に入ってくると、ルルンは更に子供なのだなあと思う。ポルンには幼いとはいえ自我を感じることができる。何をしたい/したくないという欲求をもっていて、わがままという表現形式ではあるものの他者からの強制に異を唱えるだけの自我は持っている。
一方ルルンはポルンのような自我を感じない。ルルンはポルンを追いかけて光の園からやってきたのだが、おそらく自覚的に追いかけてきたわけではない。ただポルンの側にいたいという感覚に引かれて、自分でも良く分からないうちに(というか自分すらよくわかっていないのだろう)ひかりの部屋に住み着いているということなのだろう。
というルルンであるから、別にどこに居ても気にならないわけで「ルルンは光の園に帰るルルン」と言いながらポルンのように帰りたいと泣くことも無く当然光の園に帰るものだと思っている。また、ひかりが虹の園光の園に引き裂かれているという状況も全く気にしていない(というかやっぱり分かっていない)。
しかし状況が分かっていないというのは、状況を分かっていても状況に流されないということと同じ結果をもたらす場合がある。ということでルルンは知恵を身につけた長老のように、真実をもたらすわけだ。