1 恐怖の本質

恐怖の本質は、自分に制御できない事象について指数関数的に自己増殖するイメージだ、と考える。恐怖とはイメージが増殖し、その圧力に耐えられなくなることであり、イメージそのものではなく、心の中でイメージが急速に増殖することこそが恐怖の本質なのだろう。

オープニング:光の園の異変、ドツクゾーンの異変

MH第28話のアバンタイトルは、光の園の異変で始まる。長老と番人が異変を語り、プリズムストーンから何かが飛び去る。そしてOP直後には、ドツクゾーンでも異変が描かれる。不毛の荒野に浮かび上がる人型。それは今まさに復活しようとしているかのように、煙を噴いている。
何か恐ろしいことが起きようとしている、というイメージに視聴者は引きずり込まれる。

語られ、植え付けられる恐怖の種

イメージが増殖するのは、それが何かわからないからだ。分かっていれば増殖しない。分からないからこそ勝手にイメージが膨らむ。ということで「誰かが体験した」という伝聞で得られる情報は、恐怖の種としては最適である。「何か良く分からないが、誰かが体験したのだからそれは事実である」ということで、友人として信頼している志穂莉奈が「私は見た」と断言するのを聞く。
しかし志穂莉奈は何かを体験しているのだが、それが何かはわからないと言う。

ポルンの不安

未来を感じる力を持つポルンが「ぞくぞくする」と言う。だんだんと「何か」がなぎさとほのかの近くへ寄ってくる。志穂莉奈からポルンへ。でもまだ伝聞であり、なぎさとほのかは何も体験していない。

実験室で裏付けられる「何か」

ここでなぎさとほのかは「何か」が引き起こした状況を目にする。だがそれは残された結果だけであって、まだ「何か」を直接体験したわけではない。

取り残されるなぎさ、増殖を始める恐怖

夕方、無人の校舎。増殖を始める恐怖。しかし一度ここでメップルが場を落ち着かせる。弛緩の直後に更なる恐怖。定番ですね。

開く扉、肩に手、ポルンの不安その二

なぎさの脇で開く扉、背後から肩に伸びる手。悲鳴。ここでポルンが「なぎさが危ないポポ」と言うのだが、この一言が視聴者をミスリードする見事な一言になっている。この直後なぎさの前にサーキュラスが登場することで、これまでの現象が闇の力により引き起こされていたのだと思ってしまう。