2 疑問

満開の、桜。

「ここに私はいる。私のいるここは、どこ? そして私は誰なの?」
「私、あなたたちのこと知ってるような気がする。ずっとずっと前から」
「私は… ひかり… って言われたの。教えてもらったの。私の名前」
「声に。暖かくて優しい声に。あなたたちなら教えてくれる気がする。私が何なのかを」

MH第1話で放心していたひかりは、第2話では自分が放り込まれた環境をある程度受け入れ落ち着く。と同時に疑問が湧いてくる。ここはどこなのか。私は誰なのか。周囲を見渡す余裕も出てきて、なぎさとほのかが自分にとって近い存在であるということを感知している。しかしお互いの事を何も知らないので、九条ひかりは全てにおいて問いかけすることになる。
最初はわけがわからなかった「学校」というものにも徐々に慣れてきて、学校にいる自分と同じような姿形をした同級生たちを観察するようになる。いままで身近にいるのはほとんど大人だけだったから、自分と他人を比べてどうのこうのということは少なかっただろう。しかしだんだんと「おんなじ子供なのに自分は違う」ということを感じ始める。もちろんそれは子供の狭い視野から見た自己中心的な感じ方であって、人はそれぞれみんな違う。ただしそういう俯瞰で物を眺めるようになるのはもうちょっと成長してからだろう。