2-3 解決その2:力の分離

ジャアクキング様はなぜ光の力を求めるのか。それはジャアクキング様が「すべてを食い尽くす闇の力」をわが身の内に飲み込んでいるからだった。その闇の力はジャアクキング様自身をも食い尽くしてしまう。だからそれを中和するために光の力を求めている。
ほしいからというよりも、手に入れる以外に道が無いから求めているわけだ。だから、ジャアクキング様がそもそもわが身を食い尽くされるという危機から脱出してしまえば、ジャアクキング様が光の力を求める理由はなくなるということだ。ジャアクキング様からすべてを食い尽くす闇の力を分離すれば、ジャアクキング様は光の力を求めて光の園へ侵攻しなくてもよい。闇の力をジャアクキング様から分離すればよいのだ。
ここで、ジャアクキング様と光のクイーンが表裏一体だという事実を考えると、ジャアクキング様から闇の力を分離すれば当然光のクイーンからも光の力が分離するということになる。光の力と闇の力がそれぞれ分離して力そのものとして存在するようになると、それらをどこにしまっておくのかということになる。
だがしかし、そもそも光の力は光のクイーンの中には存在していないのだった。光の力はプリズムストーンという入れ物の中に封印されているのが通常だ。とすると、物語のはじめから光と闇との間にはつりあいが取れていなかったわけだ。闇と光が表裏一体であるならば、光のクイーンが光の力をプリズムストーンに封印していたのは、光の力を自分に入れてしまえばクイーン自身もまた光の力の強大さの前にかき消されてしまうからだということになる。