2-2 解決その1:一体化

まず、1と4と5はどうしようもない。この対照性を崩そうとすれば、クイーンとジャアクキング様が表裏一体さんを越えて真の一体さん(by渋谷洋一)となる以外に方法は無いと思われる。これはユング自己実現過程を最後まできっちりとたどることであり、図式的には大変すっきりする。
ただし図式としてすっきりするということと、お話として面白いかというのは完全にパラレルではない。またこの図式では光の園ドツクゾーンも一体化するわけだが、お話として終らせようとするとおそらくドツクゾーン光の園に飲み込まれ、ジャアクキング様はクイーンに飲み込まれるという方向になるだろう。
というのも、5人の魔人や分身たち、そして今回現れた新たな敵さんたちはみな基本的に大人である。彼らと、基本的に子供である光の園の住人たちが和気あいあいとともに暮らす世界というのもないわけではないが、プリキュアの絵でそれを表現すると非常にへんちくりんな感じになるだろう。また怖い姿をした大人たちとともに、子供たちの投影自我となるはずの光の園の住人たちが過ごすというのは、子供たちに心理的プレッシャーを与える描写になってしまうだろう。
で、一体化をさせるとなると方向としては光が闇を跡形無く飲み込むということになるはずだ。しかしこれでは闇が光を飲み込むのと本質的には変わらない。闇の側からすれば、光の側に侵略されるということだからだ。世界が光だけで成立するというのは、健全な終り方ではない。ということで、光と闇が一体化するという解決は却下。
(明日に続く)