6 歯を磨くなぎさ

母としては悪者だって歯磨きしているとありがたい。>ほら、○○もしていたからしようね。的な誘導が出来るから。でも、悪者なのはちょっと。(エアママさん, id:dokoiko:20041024のコメント欄より抜粋)
エアママさん全く同感です!敵じゃなくて、なぎさやほのかに歯磨きしてもらえれば子供に歯磨きを促しやすくていいですね!(えみさん, id:dokoiko:20041024のコメント欄より抜粋)
エアママさんの書き込みを見て、早速昨夜「あんな悪者たちだって歯磨きしてるんだから、うがいしてるんだからしようよ。」と歯磨き促してみたのですが、ウケて笑うだけでコドモ歯磨き促進効果は特になかったです。しまじろうが磨けば彼女らも磨くのですが。(えみさん, id:dokoiko:20041029のコメント欄より抜粋)

ということで全国ふたりの母親さんたちから「味方に歯を磨いて欲しい!(できれば子供たちがお気に入りの白いほうで…)」とのなんだか結構切実な書き込みがあったわけですが、早速結城さんと小山さん歯磨きの翌週である今週になぎさが歯磨きをしていた。
敵さんたちが律儀に歯を磨いていることなんてあまり描いていないだろうから、特に過去の番組での視聴者反応を考えてなぎさ歯磨きを持ってきたのではないのかもしれない。ただし「主役に歯磨きを!」という思いはおそらく結構多くの母親さんたちが持っているだろうと考えられる(僕も昔は「歯磨きお化けに歯を磨かれるぞ〜」と母親にせかされて歯を磨いていたようなので、歯磨きさせる口実というのは今も変わらず求められているだろう)。
なぎさの歯磨きってのは第9話のアバンタイトルでも出てきていて、第9話の歯磨きは非常に眠そうな顔をしていた。第8話でいろいろ悩んだりした後にちゃんとほのかと仲直りしたどころか今までとは違う段階にお互いが進んだ後であり、その余韻と安堵が視聴者にもよくわかる効果的な歯磨きシーンだった。
今回第38話での歯磨きシーンはちゃんと目覚めていて、しかも回想が二段階で展開していた。回想前半の役者回想ではがっくりしながら歯を磨き(というか手を止めてしまい磨いていないのだが)、一転ジュナ戦闘回想になると結城さんのようにぐしぐしと歯を磨いてあがががと口をゆすいでいた。
その少し後にぽろろろと父から電話がかかってきたわけで、あがががとぽろろろがシンクロするように話をつなげて進めていたわけだ。どうせならなぎさがあがががしているのと同時に電話がぽろろろと鳴って、なぎさがあわあわするというのはどたばたしていていいかなと思うのだがまあそれは素人の思いつきということで流そう。じゃー。
それで本題なのだが、前週での結城さん(ベルゼイ)と小山さん(レギーネ)が見せた歯磨きシーンとの対比を考えてみる。結城さんは自分のミスというか管理不行き届きを指摘するかもしれないジュナを無視と気合いで押し切るために歯を磨いており、当然無表情で何も考えてないような顔をしていなければならない。一方小山さんはただ単に突然歯を磨きたくなっただけであり、日常でも何を考えているか分からない。しかも何か考え事をしているようで、ぼーっとしながら歯を磨いていた。
それに比べるとなぎさの歯磨きには感情がこもっている。歯磨き自体に感情を込めているわけではない。歯を磨いているときにもいろいろと考えており、その時になぎさの感情が動いていてそれが歯磨きの瞬間にも現れてしまっているということだ。第9話ではほのかとの危機を乗り越えた安堵感に満ちた歯磨きをしており、今回第38話では苦手な演劇を思い出して苦い顔をして、ジュナとの戦闘を思い出して気合が入っていた。
その差とはつまり、結城さんと小山さんの闇の側は日常の感情が抜け落ちている(戦闘時に憎しみや余裕や焦りを表現しているものの、日常の楽しさや辛さを表すような感情は描かれない。それは前シリーズの魔人たちとは異なっている)ということを意味している。
そしてその対照として、人間の側であるなぎさは日常の感情で溢れているということが強調されることとなる。