その他の小ネタ〜第38話

ぐるぐるポルン東京出張では毎日22時ごろにホテルへたどり着いていた。ある日もそれぐらいにホテルにたどり着いて、2時ぐらいまでほぼプリを書いてからテナントのコンビニに入った。サンドイッチの冷蔵棚の前でサンドイッチを眺めていると、隣に立っていた50ぐらいのおじさんが店員さんを呼んだのだった。
「おい兄ちゃん。ファンタオレンジはどこや」
「はい、ファンタ…ですか」
「ファンタオレンジはどこ」
「ええと…」店員の兄ちゃんはサンドイッチの棚を探し始めた。
「兄ちゃん。サンドイッチと違う、ファンタオレンジ」
「違うんですか」
「ジュースジュース」
「ジュースですか」
「ジュースジュース」店員の兄ちゃんとおじさんは3メートルぐらい離れたドリンク冷蔵庫へ移動した。とりあえず僕も移動した。いやしかし、ファンタオレンジを知らない世代がバイト店員している時代なのか。いやそういう突っ込みを入れる場合ではないだろ。ファンタオレンジを銘柄指定でしかもサンドイッチの棚で探しているおじさんを突っ込むんだろここは。棚の前で固まっていた店員の兄ちゃんは
「し、しばらくお待ちください」とぎこちなく裏側へ消えていった。そしてややあった後裏側から出てきた。
「ファンタオレンジは現在入荷しないんですよ」
「ファンタオレンジ、ないんか」
「入荷しないんですよ」
「ないんかあーファンタオレンジ… ファンタオレンジないんかー」おじさんはその後もファンタオレンジファンタオレンジとつぶやきながら買い物を済ませて去っていった。僕は東京から帰ってきてから、コンビニでファンタを探したのだがやっぱりなかった。ファンタは静かに人々の前から消え去っていたのだった。さらばファンタ。僕らのヒーロー。
ちなみにポルンの元ネタはえみさん(id:s-takee)です。