プリティー・エクササイズ(2)

id:dokoiko:20041028の続きです。先ずは搦め手から。
ふたりはプリキュア」の実質的な唯一の主人公はなぎさである。なぎさの造形は初期と中期とそれ以降に分かれていると僕は思う。初期のなぎさはかっこよくスポーツ万能で、社交性が高くどちらかというと大人への憧れを持った人物として描かれているように感じる。なぎさの対照として造形されたと思われるほのかは、かわいく文科系には万能で、なんでもひとりでやってしまうのだが肝心なところで子供のままという人物になっていた。
物語が進むとともに、なぎさはだんだんとドジっぷりが主たるトーンになっていったように思える。第8話まではほのかがボケてなぎさが突っ込むという場面が多かったと思うのだ。あめ玉製造機のシーンやナンパーマン登場シーン、クマちゃんとのお別れシーンはどれもほのかがボケでなぎさが突っ込みだった。
ところが第9話の変装職員室突撃シーンではなぎさがマジボケしてほのかが突っ込みを入れており、ほのか誕生日の回ではおでこに10円玉を貼り付けてお小遣いを懇願するシーンがあった。偽プリキュア回では「とっととだよ」と自分がプリキュアであることをおそらくほのかよりも内面化しているような描写があって、マドンナ登場回では小田島に平気で落書きをして笑いまくるという謎の行動をした。鏡の世界での戦闘ではとんでもない顔で「おっしゃると〜り!」と教頭の真似までしてしまっている。
でそれとはやはり対照的に、ほのかはだんだんとボケ度合いが少なくなってゆき、なぎさがボケまくるようになってからは菩薩というか仏というかそういう悟者のような、なぎさを導く存在のごとくになっていった。
まあそうやってドタバタキャラに変化していったわけだ。それはおそらく小さなお友だちに受け入れやすいようなキャラクタへと軌道修正が入ったのではないかと思う。もちろん物語の上でも、第8話で劇的な関係転換を描くためにそれまではよそよそしく描いていて、その後は親しみやすく描いたということはあるだろう。しかし僕は第8話までをみていたとき、なんだかなぎさは閉じた世界を構築していて視聴者とはちょっと距離感というか壁のようなものがあるように感じていた。
最近はすっかり三獣たちとドタバタするギャグ担当として描かれているなぎさだが、

とりあえず、私はまだなぎさ派のお子さんにはまだ出会ったことがありません。(えみさん, id:dokoiko:20041027のコメント欄)

なのだ。最近はあれだけ感情豊かに生き生きとドタバタしているにもかかわらず、ウフフフって顔をして一歩さがっているほのかが小さな女の子たちのハートをわしづかみして離さないのだ。
(つづく。寝ます)