4 大義への道のり

ドツクゾーン編の敵たちが消滅間際に口をそろえて述べた内容、そして彼らが消滅していったことそのものが表現したことだ。プリキュアたちは光の園虹の園を守るために戦っている。魔人たちはジャアクキング様に永遠を与えるために戦っている。それぞれに目指す大義のために戦っていることは同じだ。
異なるのは、大義への道のりだ。大義への道のりの違いが、プリキュアたちと魔人たちとの態度の違いとして現れる。魔人たちは、自分が消滅しても最終的にプリズムストーンジャアクキング様のところへ集まればよいとしている。またジャアクキング様が落伍者を許さないため、それぞれの魔人たちは自分が生き残ることに必死でもある。
このふたつは一見矛盾する命題のように思えるが、プリズムストーン奪取に役立たない魔人たちはジャアクキング様が消滅させてしまうのだから、自身が生き延びるために命をかけた博打を打つという行動は合目的である。また魔人たちの仲が良くないというのも、落伍者に付き合って落伍者の烙印を押されるリスクを避けるとともに、手柄を独占し抜け駆けしなければ自身の安全が図れないわけだから当然だろう。
それに対して、魔人たちが直面しているような死のペナルティはプリキュアたちに課せられていない。彼女たちが戦うのは、彼女たちの外側から与えられる目的のためではない。もちろんプリズムストーンを守るという目的そのものは、彼女たちの外部である魔人たちが襲ってくるからではある。しかしその戦いをなぜなぎさとほのかが引き受けなければならないかという目的の受容について考えてみれば、別に彼女たちはプリキュアであることを強制されているわけではない。
彼女たちが戦うのは、仲間のためだ。落伍者を出さないために彼女たちは戦う。プリキュアになるためにはなぎさとほのか二人がそろわなければならない。メップルとミップルがいなければならない。プリキュアマーブルスクリューが破られた現在では、ポルンもいなければ戦いに勝つことができない。つまり、仲間が生き延びなければ自分も生き延びることができないし、自分が生き延びなければ仲間も生き残ることができない。
魔人たちとは競い合わなければならない。しかし競い合うだけではなく、同時に協力しなければ結果は出ない。そういうことだ。