ふたりはプリキュア設定資料集

まず最初に感じたのはラフ絵も含め絵として完成されているなあということで、言葉なく全ページをまず見つめてしまいました。そして面白い。まだ出ていない表情もあれば、放映とは異なる表情をしているキャラクターもいる。企画時点でそのような表情をしていたキャラクターが放映で異なる表情を与えられた理由があるはずだ。それを考えるのがこんなに面白いとは思わなかった。また造形のどこに力点を置いているのかがわかる。それはそのキャラクターにとって必要不可欠なポイントだということだ。ということを考えている。あまり詳細に書くのもあれなので、なぎさとほのか以外はちょっとだけ。

なぎさは第6話のあたりからこの初期設定を超えた表情を見せ始めているようだ。確かになぎさが企画時点ですでに結構生きているなあというのが分かる。分かるのだけれどある一定の感情量を超えた表情がまだこの資料集では描かれていない。まあ設定集だからここからだんだんとはっちゃけてくるものなのだろう。しかしこのごろのなぎさ表情があれだけ頻繁に大きく変化するようになっているのは、やっぱりなぎさが独自の感情を持って急速に独立した人格を形成しはじめたということだろう。

ほのかの初期設定はとても整っている。整いすぎている。そしてちょっと大人すぎるようだ。なぎさと比較した上で精神的な年齢を少し下げたのかもしれない。ほのかがこの初期設定を逸脱する表情を見せたのは、なぎさより早かった。第5話で対ピーサードプリキュアマーブルスクリューを浴びせながら大演説をぶちかますときの表情がその逸脱だ。歯がある。設定資料には歯を見せているほのか/ホワイトは描かれていない。鼻の穴が顔にできたらキャラクタが生き始めた証拠だといしかわじゅん氏が語っていたと思うが、ほのかにとっては歯が生えることが生き始めたという証拠なのだろう。ほのかがなぎさより早く逸脱を始めたのは、開始前からなぎさが生きていたということでもあるし、ほのかは生きていなかったということなのかもしれない。またシリアス全開の場面でほのかが表情を逸脱させたということは、ほのかの感情形成が怒りを基調としているということだ。それは第8話で十分に発揮されることになる。

志穂莉奈は莉奈がほとんど設定時と変化が無いのに比べ、志穂はちょっと大人っぽくなっているように思う。

藤Pは設定資料に描かれている超美形な造形をまるまるカットされているようだ。超美形藤Pは、上北ふたごさんの連載に近い。性格が非常にきつい感じがするし、ともすれば嫌味な二枚目にもなりかねない感じだ。あのまま出てきていたらちょっとキツかっただろうな。

さなえおばあちゃまも結構重要なところでさらに深く造形されたんだなということが分かる。

あとは美墨家が3LDKというのは当たった。まあマンションでは標準的だろうから、普通の家庭である美墨家が3LDKだと言えばだいたい当たるものだろうけれどちょっとうれしい。

というか、せっかくのゴールデンウイークに考察の一つもしないでいいのかオレ。ああ、いずみのさんがさらによりもっとはるかずっとどんどん遠くなってゆく…