1 咲舞の性格分析

S☆Sも第4話が終わり、だいたいの性格造形が出揃ったように思う。チャートで整理してみよう。
咲舞の性格チャート
なぎほのの時はチャートの軸を「子供−大人」「感情的−理性的」と設定した。これはなぎほのに割り振られた性格造形を分類したためだ。咲舞はどちらも大人的特質を持たないように思われ、また両者ともに理性的であるという描写はなされていないと思われる。よって別の軸を設定する。
まず対人関係スキルに注目して「社交的−オクテ」という軸を設定しよう。これは主に舞が理由である。第1話での舞は、ほのかと同じく他者関係に慣れているかと思われた。しかしその後の描写を見ると舞が気負い無く接することができるのは咲のみである。これは咲舞が「選ばれたふたり」であるからということだろう。
もうひとつは本人の性向に注目して「内向的−外交的」としてみよう。舞は絵を描き始めると世界を遮断する、というのは舞の特質となっているようだ。また今回、舞は絵を描くにはひとりで好きなときにやればよいと話していた。咲の言葉によって舞は美術部に入ることにしたわけだが、咲の言葉が無い状態を舞の基本的性格だと考える。ということで咲は「外交的−社交的」、舞は「内向的−オクテ」に分類される。両者の組み合わせはおそらくどちらも素直な性格であると言うことができるだろう。
ちなみにこのチャート上でなぎほのがどこに位置するかも図示してみた。ほのかは物怖じしない社交性を持っているが性向としては内向的であり、なぎさは慣れ親しんでいない環境に対してオクテであるが性向としては外交的である。咲舞に比べるとなぎほのはどちらもひねくれ者というか、外部に見せる姿とは別の本心とでも言うべき「本当の自分」を持っているということだ。特に無印初期においては、このようななぎさとほのかのウラとオモテがドラマを生んできた。
咲舞の性格チャート2
そいでこれはちょっとてきとうではないのかもしれないが、それぞれの人物は矢印のように変化した(舞についてはしつつある)という気がする。
ほのかはなぎさの外向的なところを取り込んで、蘊蓄女王からボケをかませる女の子に落ち着いた。なぎさはほのかの社交的なところを取り込んで「ぶっちゃけありえない」という言葉を捨てた。将来に向けて生きようと思うようになった。自分の知らない世界に踏み出すところまでたどり着いた。というように、ほのかとなぎさとは両者がおたがいに導きあう中で、そのどちらでもない第三の人格へと成長した。
しかし咲舞の性格造形を見ると、咲が一方的に(世間的な意味で)理想的な性格を与えられているように見える。