1 テーマは約束

テーマは「約束」と見たナリ〜。約束という単語で理解できる描写がいくつも見当たる。先代プリキュアは、いくつかの基本的なテーマをかたくなに守りつづけどんどん深めてゆくという、非常にまじめな(不器用と言えるほどの)作品だった。今回もそうだとすると、約束と言う言葉にテーマが集約されるまでがんばったと思われる。

  • フラチョの使命は「咲舞をもう一度出会わせること」「咲舞をプリキュアにすること」である。彼らは5年前の約束を果たしたわけだ。
  • 咲舞の視点で言えば、プリキュアになることが5年前に約束されていたということになる。
  • いきなりフラチョが危機に陥った。ここでは「咲舞を守る」という約束を果たすため、フラチョは自らを省みずカレハーンに挑んでゆく。命を賭ける理由が約束なのだった。
  • 咲舞がプリキュアになることを引き受ける理由も「フラチョを守ると言ったから」と、約束を守るという論理になっている。

これらはシリーズ全体の骨格に関わる重要なシーンである。しかしこれ以外の小ネタにも約束を感じさせるシーンがある。

  • アバンで街に戻ってきた舞が大空の樹に「ただいま」と言う。戻るべき場所に戻ってきたというのも約束と言える。
  • 舞が「ちょっと出かけてくる。すぐ戻るから」と約束してトネリコの森へ出かけてゆく。
  • 咲がパンを出前するのも、約束のものを届けるということだ。

(続く)