シンクロをはじめた光と闇〜MH第40話(1)

今回はようやく光と闇とがシンクロをはじめたというのがトピックだ。これまでも光と闇との物語が大きく動くときは、なぎほの以外が主役になる。正確には、光と闇との物語が大きく動く直前、地震での初期微動が描かれるときに、日常ではなぎほの以外が主役となる傾向にある。
なぎほのの日常物語と光と闇との物語はパラレルに進む二本の柱だ。この二つを絡ませるのは難しいし、30分では消化不良になるか小さなお友達の処理能力を超えるだろう。出張へ向かう新幹線の中でこの文章を書いているので、モコ&忠太郎回(イルクーボが番人の存在を知った)とか亮太お使い回(ポルンがカギであると再確認)とかその辺しか思い出せないのだがそんな感じで。
ということで、亮太がなぎさ付き添いを恥ずかしいと感じたり、それを理恵お母さんが(ママじゃなくてお母さんなんだよな)オらかに受け止めていたり、なぎさがそれをわかってないとか、それぞれの主観が少しずつ変化してゆく過程が繊細に描かれていたというのはひとまず置いておく。でも今回路上の信号機が赤になるシーンで始まったのだから、ラストは信号機を青にして終わってほしかったなあ。

成長しないあのお方

あのお方は結局最後まで成長しないのだろう。成長する九条ひかりと、成長しないあのお方が対比されている。成長することは正しいことなんだというメッセージだ。MH開始時点では光と闇とがお互いに成長してゆくのだろうと考えていた。無垢でこの世界に舞い降りたあのお方が悪へと成長する過程を描くと残酷になる。またずっとよい子でいたあのお方が突然キレるようにジャアクキング様へ変化してしまうというのは、子育ての失敗としてリアルだ。親が子供を悪に育てることは多分あまり無い。それよりもよい子に育っていたはずの子供が突然変化してしまうほうがありうるだろう。