MH第22話

今日も少年は窓の外を眺めていた。バルデスはあのお方が覚醒するまでにプリキュアたちを倒さねばならぬと語り、執事ザケンナーたちはプラモデルや飛行機のおもちゃで遊ぼうと持ちかけている。しかし今日も少年は窓の外を眺めていた。今までのように、ではない。
少年の心にはルミナスのイメージが宿ってしまった。これまでの少年には何も無かった。少年が何かを考えている描写は今回がはじめてだ。ということは、少年がはじめて心を持ったということだ。
少年は成長している、のだと思う。他者との出会いが人を成長させる。他者が誰であるかということを知ることは、自身が誰であるかということを知ることだ。一般的に言えば少女が少年を成長させるということは良くあることだ。少年が少女を成長させるかどうかは知らない。更に個別的に言えば、洋館の少年が見たのは九条ひかりシャイニールミナスなのだ。彼の失われた半分、そして彼が手に入れてはならないもうひとりの自分なのだ。
彼は前回まで何かわからない衝動に駆られて窓の外を眺めていた。しかし今回の彼はルミナスという具体的な他者を思いながら窓の外を眺める。

成績表

あかねさんが「先生ってちゃんと見てるもんだよね」というのは、闇の面々がそろって洋館の少年のことをちゃんと見ていないということと対照を成している。それどころかポルンのほうが少年をよく理解しているのだった。