3 無印第22話との相反

無印とMHは古今和歌集新古今和歌集との関係にある。そして無印第22話が「帰るべき場所」を指し示したのに比べ、MH第20話は「別れるべき場所」を指し示している。終。

解説1:古今と新古今〜本歌取りについて

などと半可通の自意識を爆発させたような恥ずかしい発言をしてみる。古今和歌集は… たぶんキーワードでひっかかるのでそちらを参照していただくとして、八代集や二十一代集の第一に数えられており、言わば和歌の原典である。新古今和歌集により、万葉集のますらをぶりは洗練され、短歌長歌旋頭歌の複合フォーマットは整理された。新古今和歌集はたおやめぶりの短歌へと和歌を変革し、その後の和歌フォーマットを規定した。
かたや新古今和歌集八代集の最後を飾る平安文化の集大成とも言える。新古今和歌集は昔の歌と当時の歌を交互に配置し、またいわゆる本歌取りにその特徴がある。古今以来の文化蓄積を基礎教養として、一本の和歌そのものを知識と歴史を包含した重層的な構成物へと纏め上げたのだった。
プリキュアについて言うと、無印で出してきたイベントをなぞる形でマックスハートは構成されている。プリキュア登場とルミナス登場。無印第8話とMH第8話。なぎほのハイキングとひかりのおつかい。ほのかの誕生日。美術館見学とケーキ工場見学。ラクロス試合。科学部研究発表会。温泉旅行とキャンプ。MH第19話に重ねられた無印の第8話と第42話。そしてしゃべる忠太郎と今回のぽん太の助。
ただし内容としては同じ事はしていない。視聴者が無印のエピソードを思い出すことを計算して、無印から見ている視聴者にはより深くMHのお話を味わうことができるように演出している。そういうところが本歌取りの効果であり、マックスハートでの本歌取りはだいたいかなり上手くいっていると思う。今回の実力テスト一夜漬けも、無印第18話でのテスト話などでのなぎさが思い出される。