5 無限説のクイーン

次にクイーン無限説を考えてみよう。現在クイーンは命の交代を実施中だ。命の交代ということは、そのうち新クイーンが誕生するということだ。クイーンの後にクイーンが続く。先代クイーンの前に存在していたのは先々代クイーンだということになる。クイーン二代目説は上で封印したので、ここではクイーンがこれまで命の交代を繰り返し、歴史においてクイーンは無限にいたとする。
クイーン無限説では、有限説のような分岐の連鎖は必要ない。光の意志はいつかクイーンになり、クイーンはいつか光の意志に戻り、またクイーンに戻る。このプロセスを永遠に繰り返しつつあるだけだ。今回はたまたま三つの要素に分裂したが、より深く傷つけられればおそらく意志にまで解体することになるだろう。とにかく「はじめクイーンは、光の意志の集まりじゃった」と長老のセリフの「はじめ」というのも、ある時点における輪廻プロセスの一点を便宜上「はじめ」としてみたぐらいのことであり、ようするに始まりを恣意的に指定しなければ話をすることも出来ないからそれを「はじめ」と読んだのだ、ということになる。